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「疲れない!」「それだとブラック企業です」棚橋弘至が新日本社長として東京ドーム大会で狙う次世代ブレイク「3年後理論」と「引退ロード」の野心
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byKiichi Matsumoto
posted2025/01/03 11:03
棚橋のキャッチフレーズの一つ「疲れない」が、まさか社長業では「ブラック企業」に見えるとは想定外であったという
2025年のスタート、新日本は勝負の東京ドーム大会を迎える。通称イッテンヨン、「WRESTLE KINGDOM 19 in 東京ドーム」、そしてイッテンゴはAEW、CMLLなどとの合同興行「WRESTLE DYNASTY」。コンセプトの違う大会を2日連続で、それも東京ドームで開催するという野心的なチャレンジに打って出る。
イッテンヨンとイッテンゴでの挑戦
「社長としては2度目の東京ドームになりますが、新日本が1年間通じてやってきたことを(社長の立場から)感じられる大会になると思います。イッテンヨンはこれまで他団体の選手や大物選手を呼んでも、“点”で終わってしまうことが多かったんですよ。でも今回、東京ドームに向けて選手たちが1年間どうやったら自分をストーリーラインに乗っけられるか、その物語のゴールでもあり、スタートでもあります。
イッテンゴは(動画配信サービスの)『NJPW WORLD』が始まって英語圏のファンの方も今では多くいます。新日本をさらに大きくしていくためにはより海外進出も見据えていかないといけません。AEWのファンも多く視聴してくれるであろう今回の大会で、新日本はこういう団体で、こういう選手がいるんだとアピールしたい。以前、渡米して試合せず(AEW社長の)トニー・カーンさんに会って、選手の交流を確約していただいた。やっと形になったことをうれしく思うし、感謝したいですね」
次世代エース候補を前面に
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イッテンヨンはIWGP世界ヘビー級王者のザック・セイバーJr.に海野翔太が挑戦するタイトルマッチをメーンに据え、“幻のカード”内藤哲也と高橋ヒロムのシングルマッチ、辻陽太が王者デビッド・フィンレーに挑むIWGP GLOBALヘビー級選手権試合などが主要カードとなる。
イッテンゴも、ビッグネームであるAEW副社長ケニー・オメガとゲイブ・キッドのスペシャルシングルマッチがあるとはいえ、ザック、海野、辻らはそれぞれAEW勢との一騎打ちに臨む。次世代のエース候補が前面に出ていく攻めたラインアップだと言っていい。