「私にとってあの子は特別」憎しみを向けられても…中野たむが語る“闇落ちレスラー”上谷沙弥への本音「ダンプ松本じゃなくて、長与千種にならなきゃ」

　スターダムの中野たむは赤いベルト（ワールド・オブ・スターダム王座）のチャンピオンだ。だが「半年か、1年かもしれない」と、自分に残された時間が少ないことを口にしている。

　12月29日の両国国技館大会では3度目の防衛戦として、闇の世界に身を投じた上谷沙弥の挑戦を受ける。

赤いドレスで調印式に姿を見せた中野たむ。12月17日、ベルサール羽田空港　©Essei Hara

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中野たむが口にした“変化”「あの岩谷麻優が敵意を…」

　昨年から今春にかけて、スターダムは激震に見舞われた。運営に対するファンや選手の不満、社長の交代、ロッシー小川氏の解任、そして小川氏が立ち上げたマリーゴールドへの選手の移籍。分裂を目の当たりにした中野には、団体の屋台骨を背負う看板選手としての自覚が芽生えていた。

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「私自身は変わってないと思います。でも、試合は変わったなって言われることが多い。前は格好悪いチャンピオンでも、それが中野たむだから、それでいいと思っていた。それがやっと、赤のチャンピオンらしくなってきた。『スターダムを守りたい』って強い気持ちがそうさせたのかもしれない。いいのか悪いのかはわからないけど、“中野たむらしさ”は失われていないと思う。自分の情念、生き様を見せること。それに誇りを持っています」

©Essei Hara

　長く“スターダムのアイコン”を担っているIWGP女子王者の岩谷麻優とも、緊張関係が生まれつつある。

「岩谷麻優はすごいレスラーですよ。11月の（新日本プロレスとの）合同興行では渡辺桃とすごい試合をやった。それでも私は赤が最高であるべきだと思っている。この間、千葉大会でタッグを組んだ後、岩谷がバックステージで直接言ってきたんです。『試合順も入場順も気に入らない』って。私はそれをうれしく思った。岩谷にそこまでの敵意を向けられたことはなかったから。『たむちゃんはたむちゃんだから』って存在だった。『かわいいたむちゃん、もっと頑張りな』って。それがついに岩谷麻優と同じところまで来た気がした。嫉妬の感情を岩谷から引き出すことができた。びっくりしました。でも、そんなに気に入らないなら、挑戦してきてください、って。その時はそのベルト（IWGP）もかけてね。会社としては赤いベルトがメインで、入場順も赤いベルトのチャンピオンが最後って決まっているんだから」

　中野は岩谷にはっきりと言ったという。

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