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「タケはソシエダでも日本代表でも移動を」過酷日程で荒々しく削られた久保建英だが…“相手守備を崩壊させる直感”をカメラマンは見た
posted2024/12/10 18:55
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
12月8日に行われたラ・リーガ16節、久保建英が所属するレアル・ソシエダは、敵地でCDレガネスと対戦。0-3の勝利を収め、久保はハードマークを受けたが、先制点の起点となった。チームは前節ベティス戦からの連勝で、暫定ながら来季ヨーロッパリーグ出場圏内に迫る6位に浮上している。この試合の撮影のため、スペイン首都マドリードの郊外都市レガネスを訪れた。
「タケは、チームでも代表でも移動を…」
マドリードの玄関口であるアトーチャ駅から近郊電車で15分、最寄駅のサルサケマダ駅からは徒歩で20分弱。スタジアムは高台にあるため、北側客席最上段からはマドリード市街を眺めることができる。昨シーズン2部を優勝しての昇格組ではあるものの、過去には柴崎岳が3シーズンにわたり在籍していたことで、日本のリーガファンにとっても馴染み深いのではないか。
ソシエダは、この試合の3日前に国王杯2回戦を戦っていたが、久保は招集メンバー外となっていた。格下相手だったとはいえ、久保の招集外は、指揮官イマノル・アルグアシルとしては、クリスマス休暇までの連戦をこなすための苦渋の決断だったはず。
「タケは、チームでも代表でも多くの移動をしているから……」
指揮官のコメントから、過密日程と久保のコンディションを考慮してのものだったことが伝わる。
特に2回戦の相手だったコンケンセのホームタウンであるクエンカは――ソシエダのメンバーが試合後、直接マドリード入りしたことからも分かるように――ソシエダのホームタウンであるサンセバスチャンとの移動の便が良いとはいえない。それも久保の招集が見送られた要因だっただろう。
プレスが緩いと察知…相手守備を崩壊させる起点に
久保がこの日の先発メンバーとしてアップのため、ピッチに現れた時のこと。自身の臀部などのコリを気にするような仕草を時折見せており、過酷日程をこなす影響を感じさせた。ただターンオーバーした甲斐もあってか――久保は試合が始まると、見事にその監督の期待に応えてみせる。
前半14分、右サイドでボールを受けた久保へは、相対する相手左SBハビ・エルナンデスがマークについた。また中盤のセイドゥバ・シセも、久保の逃げ道を塞ぐように囲みに入る。
ただこの瞬間、久保はシセのプレスが緩いことを直感的に察知していた。