NumberPREMIER ExBACK NUMBER
「ほぼ勝ったと、全員思ったんじゃないですか」石川祐希が語るパリ五輪イタリア戦の真相「最後、俺が決めきれなかったから…」《独占告白》
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byAsami Enomoto
posted2024/10/31 11:04
イタリア・セリエAで10シーズン目を迎えたバレーボール日本代表主将の石川祐希が、パリ五輪での激戦を振り返った
「そうですね。あそこは指先に当たらなかったとしても、コートに入るような軌道で打たなければいけなかった。打つのであれば。逆に、あまり体勢もよくなかったので、リバウンドを取りにいく、ラリーを少し長く続けるという手段もあった。そういった柔らかい発想が、あの場面では欠けていました。1点を取りにいこうとしすぎて、視野が狭かったのかなと」
――あの24-23になった場面、ブロックタッチの判定を巡り日本はチャレンジを要求しましたが、判定を待っている間、コート内ではどんな会話があったんですか?
「あまり覚えてないんですけど、俺(取りに)行くわ、とはたぶん言ったと思います。で、2本目のサーブもど真ん中にきた。僕も行けそうで、トモ君も行けそうで。ちょうど迷うところだった。僕のほうに軌道は来ていたんですが、ジャンネッリのサーブは巻いて打つから、最後にこっち(山本寄り)に曲がるので、『あー! 微妙ー!』と思って逃してしまった。本来ならたぶん僕のボールなんですけど、僕が、スパイクで1点を取りにいきたいという思いが強すぎて、よけるような形になってしまった。そこは隙というか、『早く試合を終わらせよう』と思ってしまったのかなと」
第3セットを奪われ、第4、5セットも接戦となるが、日本はデュースの場面でブロックに捕まるなど“あと1点”が遠い。
最後はルッソがネット上から押し込んだボールが日本コートに落ちて弾んだ。第5セット15-17。石川の目に涙が溢れた。いつも通り円陣を組むと「俺についてきてくれてありがとう。最後、俺が決めきれなかったから、本当に悪かった」と頭を下げた。
<前編から続く>
【続きを読む】サブスク「NumberPREMIER」内の【独占告白】石川祐希が語る近未来の日本代表「トモくんとか、関田さんとか一緒にやってて楽しい」…新天地ペルージャでは「景色が変わる」で、こちらの記事の全文をお読みいただけます。