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「今までにない体」千代の富士の“肉体改造”は宿敵もホレた…視聴率52.2%ウルフフィーバーのち「頂上で、崖っぷちなんだよ」35歳での引退 

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posted2024/10/30 17:46

「今までにない体」千代の富士の“肉体改造”は宿敵もホレた…視聴率52.2%ウルフフィーバーのち「頂上で、崖っぷちなんだよ」35歳での引退<Number Web> photograph by David Madison/Getty Images

1983年九州場所の千代の富士。美しい肉体美で昭和の大横綱として君臨した

 そんな中で時代は1990年代に。元号は昭和から平成に変わり、次なるスター候補として現れたのは貴花田(後の貴乃花)だった。91年夏場所前のけいこ総見ではぶつかり稽古で2人がぶつかり合う場面があった。

「盛り上げようというサービスでね」

 こう千代の富士は語ったが、当時の世間の見立ては“世代交代”が果たされるのか――というものだった。そして本番の夏場所初日、18歳の貴花田と相まみえた35歳の千代の富士は寄り切りで敗れ、2日後にも2敗目を喫したことで、かの有名な〈体力の限界。気力もなくなり……〉との言葉とともに土俵を去った。

肉体美も「頂上であって、同時に崖っぷちなんだよ」

「頂上であって、同時に崖っぷちなんだよ」

『Number』の取材に対して千代の富士がこんな言葉を残したのは、すでに幕内優勝31回を達成し、昭和の大横綱、大鵬に並ぶ32回目の賜杯を目指している頃だった。鍛えた肉体美で長年頂点に君臨したものにしかわからない境地だった。
〈第1回からつづく〉

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「ゴキッって音が」脱臼で“鋼の肉体”を…千代の富士が力士人生の危機から“伝説の横綱”になるまで「肩に負担のかからない相撲を目指さなきゃ」

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