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スポーツ名言セレクションBACK NUMBER
「今までにない体」千代の富士の“肉体改造”は宿敵もホレた…視聴率52.2%ウルフフィーバーのち「頂上で、崖っぷちなんだよ」35歳での引退
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NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byDavid Madison/Getty Images
posted2024/10/30 17:46
1983年九州場所の千代の富士。美しい肉体美で昭和の大横綱として君臨した
80年春場所から幕内上位に定着し、小結となった秋場所には横綱・北の湖の連勝を24で止め、九州場所には関脇として11勝4敗の好成績。大関昇進も一気に見えてきた。
そして翌81年の初場所、初日から14連勝を飾ると、千秋楽の本割では北の湖に敗れたものの、優勝決定戦では上手出し投げで放り投げ、初の幕内優勝を果たした。
この際のテレビ中継の平均視聴率は52.2%。巨人を長嶋茂雄監督が率い、松井秀喜や落合博満らを擁して人気全盛だったプロ野球の「10.8」やサッカー日本代表の「ドーハの悲劇」に「ジョホールバルの歓喜」、箱根駅伝でも超えられない視聴率をたたき出したのだ。
大関在位3場所で横綱…ウルフフィーバー
鋼の肉体を手に入れた「ウルフ」こと千代の富士の進撃は止まらない。
新大関になって直後の2場所を11勝4敗、13勝2敗の成績を残して優勝争いを繰り広げると、7月の名古屋場所で再び北の湖を破り、14勝1敗で2度目の幕内優勝。直近3場所で37勝という安定感を見せつけ、大関わずか3場所で横綱へと上り詰めた。秋場所は足を痛めて途中休場となったものの、つづく九州場所では12勝3敗の成績を残し、朝汐(朝潮)との優勝決定戦を制して横綱として初優勝を飾った。
重量級の力士だった朝潮は千代の富士と計46番対戦し、15勝を飾っているなど決して負けっぱなしだったわけではない。しかし極限まで肉体を鍛えた千代の富士の取り口は、角界が新たな時代に突入するものだったと、肌で感じていた。
貴花田の登場…俺が負けた方がいいのか
<名言3>
みんな聞きたがるから「俺が負けたほうがいいのか」って、そんなやり取りをしたことを覚えているよ(笑)。
(千代の富士貢/NumberWeb 2023年4月2日配信)
https://number.bunshun.jp/articles/-/857030
◇解説◇
まるで彫刻のような肉体美でライバルたちを倒し続け、千代の富士は横綱の座を手に入れた。しかし、両肩の不安がぬぐい切れたわけではない。亜脱臼を含めると83年、84年、89年と左肩にダメージを負い、休場を余儀なくされながら横綱の座を守り続けた。