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甲子園の風BACK NUMBER
「自分はもう2枚目なんやろうなって…」阪神2位・今朝丸裕喜に“エースナンバーを奪われた男”「ライバルで親友」間木歩の決意「4年後のドラフトは…」
posted2024/10/27 11:01
text by
沢井史Fumi Sawai
photograph by
Hideki Sugiyama
ドラフト会議で阪神から2位指名を受けた“高校No.1投手”の今朝丸裕喜。高評価の一方で、実は報徳学園では同級生右腕の間木歩と“二枚看板”と言われ続けてきた。
いつのまにか「二枚看板」に生まれた“差”
1年時から同レベルで高め合ってきたその間木が、今朝丸との差を感じはじめたのは3年生の夏前のことだったという。
「5月から6月の練習試合は三つ巴(※3校による変則ダブルヘッダー)の試合が多かったんです。でも1試合目の先発は必ず今朝丸で、自分は2試合目。自分はもう2枚目なんやろうなと思うようになって。今朝丸が本格的に頭ひとつ抜け出してきて、それでも自分と比べられて。でも、自分はキャプテンもやっていないですし、劣等感というか、そういうのはありました。夏の(兵庫)大会前くらいですかね。気持ちが結構不安定になっていて……」
練習試合では連日多くのNPBスカウトがネット裏に詰めかけ、今朝丸がマウンドに立つと、構えるスピードガンには「145」「147」といった数字が立て続けに表示された。
「大事なのはストレートだ」
そう思い込み、間木も負けまいと球威アップに取り組んだ。
だが、急にスピードにこだわったところですんなり球威がつく訳がない。実際「そこまでスピードは上がらなかったです」と間木は苦笑いする。
では、どうすればいいのか。試行錯誤の日々が続いた。
「いつのタイミングかは覚えていないですけれど、真っすぐを捨てて変化球で勝負しようと思ったこともありました。でも、うまくいく訳もなくて。自分はネガティブなタイプなので、どうしても悪い方に、悪い方に考えてしまって」