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「反省してます!」平本蓮の“態度が変わった”ある質問…「信者とアンチが罵り合い」ドーピング否定会見で考えた“SNS騒動という論点”
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2024/09/03 17:06
9月2日、RIZINの発表に先立ち、都内で会見を行った平本蓮
印象的だったのは、平本が赤沢について今も信頼感を捨て切っていないことだった。
「信じられない気持ちでいっぱいです」
「心配しているところもある」
「対立関係になるようなことはなかったはず。今でも嘘なんじゃないかという思いがあります」
質疑応答で、平本が語気を強めた“ある場面”
今回の試合では、赤沢はセコンドについていない。赤沢の試合プランは取り入れられなかったため、練習にも参加していなかったそうだ。
「そのことで、距離を感じさせることになってしまったのかもしれない」
平本はそう振り返ってもいる。語気を強めたのは、自分が禁止薬物など使うわけがないと断言した時だ。
「僕は正々堂々と闘いました。死ぬ気で練習して。自分から望んだ朝倉未来戦の前に、そんなバカなことするわけありません」
未来戦を控えての公式行事を欠席したり、対戦相手を口汚く罵ったりと、平本は決して素行のいい選手ではない。ただこれまで取材してきた印象として、格闘技に対する真面目さだけは疑いようがなかった。試合内容そのものについて、技術や戦略について語っている時が一番楽しそうだったし、その内容もいつも深いものだった。
朝倉未来は平本に敗れて引退を表明したが、平本は再戦の可能性について聞かれると「いつでも、何度でもやります」と答えている。それくらい気持ちの入る相手なのだ。
だから平本は“シロ”なのだと言うつもりはない。この会見で彼は主張すべきことを主張して、その上でやはり最後はRIZIN公式の検査結果を待つしかないのだ。「僕は必ず白だと思っています」と平本は言っている。毛髪や血液などを採取する追加検査も、RIZINの指示があれば応じるという。
弁護士「SNSでやり合うのはおかしい」発言は正しいが…
今回、平本が検査結果を待たずに会見を行ったのは、SNSでの反論ではなく自分の口で説明したかったからだという。そのため、疑惑が持ち上がってから準備のために時間がかかったと。
最初にXでの“告発”があった20日、あるいは21日にすぐSNSで反論すべきだったというファンもいる。なぜ会見まで黙っていたのかと。だがSNSでの反論の応酬では、収拾がつかなくなるだけかもしれない。