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ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
「井上尚弥に判定で勝つのは無理」「あの下半身はすごすぎでしょ」長谷川穂積の視点…「計量から12kg増」ドヘニーの“超リカバリー”の影響は?
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2024/09/02 11:06
8月31日の記者会見で笑顔を見せる井上尚弥。「彼くらいになるとライバルは自分自身」と長谷川穂積さんは語る
長谷川さんが続ける。
「彼くらいになるとライバルは自分自身になるんですよ。常に絶対有利と言われてしまう。その中でどうやってモチベーションを上げて、どれだけ練習で追い込んで、どれだけ気持ちを作ってリングに上がるか。それを成し遂げる上で最大の敵は自分なんです。毎回毎回、自分自身に勝つことがテーマになる。僕自身も防衛を重ねていたころは、前の自分よりも強い自分を作ることに集中していました。そういう気持ちなんじゃないかと思います」
ベルトを守り続けるチャンピオンはまさに孤高の存在なのだ。そんな井上が人生をかけてアップセットを狙うドヘニー相手にどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。井上はどのように仕上げ、どのように試合を組み立てるのか。そして心身ともにタフなドヘニーはどうやって絶対王者に食らいつき、一矢報いるのだろうか。
長谷川さんは「井上選手の試合は圧勝でも、長引いても絶対に面白い。そこが魅力です」と繰り返した。井上が年間3試合ペースで試合をするのは実に7年ぶりだ。アクティブにリングに上がる井上の、わずかな変化をも見逃したくない。
<前編とあわせてお読みください>