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「ユニタードは衰退していくのか?」女子体操の会場で見た「着用選手は2人だけ」という現実…盗撮問題に向き合う“ユニフォーム選択”の現在地
posted2024/08/08 17:06
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Getty Images
パリ五輪の女子体操が行われたベルシー・アリーナは連日大きな賑わいを見せていた。女子体操のスター選手であるシモーネ・バイルズ(米国)を見るためにトム・クルーズやアリアナ・グランデが来たり、NBAのレブロン・ジェームズ、ステフィン・カリーが男子バスケの試合会場のあるリールからわざわざ応援に来たりと、華やかなムードが満載だった。
選手のレオタードも華やか。どの国のもスパンコールがちりばめられ、キラキラと輝いていた。女子体操の昨今のトレンドはスパンコールだ。年を追う毎にどんどん増えている。
ということで、気になったのが「ユニタード」だ。2021年東京五輪でドイツ代表が着用して話題になった、足首まで覆うロングスパッツタイプの試合用ウェア。女性アスリートへのセクシャルハラスメントを問題視する機運が高まっていた19年ごろからドイツの女子チームが着用してきたが、パリ五輪でユニタードを着用している国・選手はどれくらいいただろうか?
今大会でのユニタードは「全選手中たった2人」
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結論を言うと、見つけるのは困難だった。“先駆者”であるドイツはパリ五輪の女子団体出場権を得ることができず、チームでは参加していなかった。かろうじて見つかったユニタード着用選手は個人枠で出場したドイツのザラ・フォス(24歳)と、パウリーネ・シェーファーベッツ(27歳)だけ。他の国にはユニタードを着用している選手は見られなかった。
ザラ・フォスは上半身は白地、ウエストから足首までは黒色の配色でデザインされたユニタードを着ていた。全体的にミスがあって本来の実力を発揮したとは言えなかったが、ユニタード着用の際の難点と言われているゆかの足持ちターンの動きは特に問題なかった。