濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
なぜマニー・パッキャオの“RIZIN初登場”は「期待外れ」に終わったのか? 舞台裏では「いいチューンナップに…」安保瑠輝也戦を徹底検証
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2024/08/01 17:01
安保瑠輝也の攻勢にバランスを崩すマニー・パッキャオ
その必死さ、貪欲さとパッキャオの“目減り”分が噛み合って、安保大健闘のドローという結果が出たのではないか。パッキャオはこのまま衰えを隠せなくなっていくのかもしれないし、今回の反省を活かしてボクサー寿命をさらに延ばすのかもしれない。我々が彼のファイター人生を短兵急に結論づける必要はない。
パッキャオ本人は安保をどう評価したか?
ちなみにパッキャオは、安保を「動きもよかったしいいパンチを持っている。真剣にやりたいのであればボクサーとしてもやっていける。彼の階級には強豪が多いけど」と評している。榊原もパッキャオ陣営から「安保は本当に強い。うちに来てトレーニングしたら世界チャンピオンになれる」と聞いたそうだ。リップサービスなのかどうかは分からないが、安保にはボクシング転向を勧めてみたいと榊原。
いやもしかして、安保はとてつもないボクシングのポテンシャルを持っているのかもしれない。そんな話が出てくるところまで含めて、この試合は何もかもが予想外だった。