そして、次の日本代表への意欲。

「人間、欲が出るんですね（笑）。去年のワールドカップを経験したことで、次のワールドカップでもここにいたい、日本を代表して戦いたいという欲が強くなった」

　その日本代表には今年、エディー・ジョーンズ新ヘッドコーチが就任した。

「SHでゲームをコントロールするのは、エディーさんが掲げている『超速ラグビー』でも必要とされているスキルだし、そこを目指すなら自分も成長しなきゃいけない」

「成長するには環境の変化が必要」

　折しもリーグワンは誕生から3シーズンが経過し、かつてはタブー視されたトップチーム、トップ選手の移籍も珍しくなくなった。表に出る情報は少ないが、水面下ではリーグワンの移籍市場は年々活発化し、早期化している。

「成長するには環境の変化が必要だと思うんです。僕自身、大学を卒業してトヨタに入るときは愛知へ行くのがイヤだった（笑）。でもその新しい環境に飛び込んだから成長できた。トヨタに行って1年目は、新しい環境で、知らない人たちの中で信頼を勝ち取るためにもがきました。

　茂野海人さん（元日本代表）、滑川剛人さん（現レフリー）、岩村昂太さん（現ダイナボアーズ主将）がいて全然試合に出られなくて、苦しかったけど、自分の足りないところが見えてきた。くさらずに競争に立ち向かって成長できた。環境を変えることは、自分の限界値を上げることだと思うんです。でも『住めば都』といいますし、5年いる間に、愛知も僕にとって居心地の良い環境になってしまった」

明大時代は主将も務め、2018年に大学日本一も経験　©Nobuhiko Otomo

　ヴェルブリッツの姫野和樹キャプテンにも相談した。姫野はいつもポジティブに「一緒に優勝を目指そうぜ」と声をかけてくれたが、福田が自分の成長のために移籍を考えていると話すと「さみしさはあるけれど、自分で決断したなら、ガンバって成長してこいよ」と励ましてくれたという。

「トヨタで成長できないわけじゃないです。トヨタというチームでプレーしたから、FWをコントロールすること、強いFWを使ったゲームメークを学べたし、10番には去年まではウィリー・ルルー（南アフリカ代表）、今年はボーデン・バレットという一流の選手がいて、その人たちがゲームを作ってくれる中で、自分が攻めるスペースを走ることができた。成長できたところは大きいけれど、まだ身につけていない部分もある」

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