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地元・青森を愛する日本男子バドミントンのエース・奈良岡功大が独自の流儀で挑む初のオリンピック「金メダル? 獲れたらラッキーくらいに…」
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2024/07/17 15:00
バドミントン日本男子シングルス初のメダル獲得も期待される23歳の奈良岡功大
試合時間を短くするため、決め球を磨く
「コロナ禍で試合に出られなかった時にすごく練習したのが今生きているかなと思いますね。毎日10km走ったり、オフを取ることなく練習したり、毎日がバドミントン漬け。それが良かったかなと思います」
抜群のスタミナをベースとして持っており、レシーブを得意とする。そのため以前は、「試合時間が長くなればなるほど自分のペースになると思っている。きついですけど、それで勝てるならそれでいい」という考えを持っていた。
しかし、今年は別の切り口による強化にも取り組んでいる。試合時間を短くするため、決め球を磨くというものだ。
きっかけとなったのは上位ツアー初制覇を果たした昨年11月の中国マスターズの2回戦。同年の世界選手権銅メダリストのアンダース・アントンセン(デンマーク)との試合は110分にも及ぶ激闘となり、「足がつって、しばらく立てなかった」(奈良岡)。
結果を見ればアントンセンとのこの試合も、準々決勝以降も、奈良岡は勝利を収めて優勝している。とはいえフィジカル的なダメージは深く、その後の連戦もあり、年末の全日本総合選手権で準決勝を体調不良で棄権しなければならないところまで尾を引くことになった。
「アントンセンとの試合のように長時間やると、次の試合がきつすぎる」
そう考え、守備型のプレースタイルだけでなく、攻撃型のスタイルにも取り組みを始めたのだ。
「長いラリーになった時、今までならあえてラリーを選択していたけど、攻めて(ラリーを)切りに行くようにした。ネット前で安パイに入れるのではなくギリギリを狙うようにもなりました」
また、もともとは「レシーブは得意」「スマッシュは苦手」という自己分析をしていたが、スマッシュも武器の一つとしてとらえるようにし、試合で打つ回数も増やした。
「自信はないんですけど、意外に決まるので打っていってもいいかな、と。決して速いわけではないですけど、いろんな球を持っているので、みんな取りづらいと言うのかな」
引き出しを増やしたことが成長につながっているというわけだ。
応援してもらっているから頑張ろうというプラスの気持ち
地元の青森をこよなく愛している。
「空気が好きです。家族がいるし、実家があるし、安心する。海外から帰ってきた時に一度リセットして次に行ける。その方が自分のパフォーマンスがいいんです」
今年4月からNTT東日本に所属しているが、練習拠点は変わらず青森市浪岡だ。
「自分は浪岡で強くなったと思っている。みんなも応援してくれているし、それに応えたいなって思いますね」
青森のことを話す時の奈良岡はリラックス感たっぷり。「着飾らないでいいんですよ」と笑みを浮かべる。
「金メダル? え?」とリアクションするようなタイプだったが、今は少しだけ変化があるという。
「(メディアに)取り上げてもらうようになって、すごい大会なんだなと改めて思った」のが理由だ。
6月30日に23歳になった。5歳から指導を続ける父をはじめ、応援してくれる人々への恩返しをしたいという気持ちがある。
「まずはケガや病気をせず、しっかりとパリ2024の舞台に立ってプレーすることが一番の恩返しかなと今は思っています。メダルを獲れたら一番いいですけど、まだ(先が)あるのでここは焦らず、獲れたらラッキーくらいに思っておいたほうがいいかな。みんな応援してくれているからそれは裏切りたくないけど、何かを背負うというよりは、応援してもらっているから頑張ろうというプラスの気持ちが大きいので、みんなには『金メダル』と言わないで、って言っています」
飾らない言葉も魅力のひとつ。23歳のエースのラケットさばきに注目したい。
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