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〈ロッテ15戦無敗の不思議〉なぜスター不在の戦力も「接戦の終盤・延長だと異様に粘る」のか…岡大海と小川龍成、角中勝也のシブい働き 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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posted2024/06/05 06:00

〈ロッテ15戦無敗の不思議〉なぜスター不在の戦力も「接戦の終盤・延長だと異様に粘る」のか…岡大海と小川龍成、角中勝也のシブい働き<Number Web> photograph by Kyodo News

10連勝目、殊勲の小川龍成に水をかけるロッテナイン。“記録屋泣かせ”の異常な粘り強さ、その要因とは

 この得失点ならこれくらいの勝率になるはず、というシミュレーションの数字だ。パ・リーグ6球団について、この数字と実際の勝率を並べると興味深いことがわかる。以下、率=勝率、ピタゴラス勝率=P率

 ソフトバンク/50試33勝15敗2分率.688得213失113P率.780
 ロッテ/51試27勝19敗5分率.587得158失153P率.516
 日本ハム/50試28勝20敗2分率.583得181失152P率.586
 楽 天/51試22勝28敗1分率.440得165失217P率.366
 オリックス/52試21勝29敗2分率.420得157失171P率.457
 西 武/51試18勝33敗0分率.353得128失184P率.326

 ソフトバンクは今でも7割近い勝率だが、得失点差だけなら8割近い勝率でもおかしくないことになり、NPB史上初の100勝も見えてくる。得失点差については楽天戦2試合で33対0としたのが大きいのだが……。

 ロッテはどうか。得失点差わずか5で、P率は.516、辛うじて勝ち越している程度の勝率だが、実際には6割近い勝率でソフトバンクを追撃している。

1点差試合、終盤の得失点…接戦に強すぎる数字

 この数字から見えてくるのは、強大とは言えない戦力で、僅差の試合を粘りまくってモノにしてきたロッテの「レジリエンス」だ。

〈1点差試合の勝敗〉
 ソフトバンク9勝6敗
 ロッテ8勝4敗
 日ハム11勝6敗
 楽 天7勝9敗
 オリックス8勝12敗
 西 武9勝16敗

 上位3球団が勝ち越し、中でもロッテは最も高い勝率になっている。僅差のゲームを守り抜いて逃げ切ったり、終盤に逆転するなどスリリングな展開でものにしている。対照的に今季のオリックスは、平野佳寿、宇田川優希、山﨑颯一郎らの離脱によって、後半に逆転されることが多くなっている。

 5月14日から6月1日までの「15試合負けなし(11勝4分)」のイニングごとの得失点を集計すると、ロッテの試合運びが見えてくる。

 1回:12得 9失
 2回:8得 1失
 3回:6得 3失
 4回:8得 1失
 5回:3得 3失
 6回:4得 6失
 7回:0得 4失
 8回:6得 2失
 9回:5得 2失
 10回:1得 0失
 11回:1得 0失
 12回:0得 0失

 プロ野球の試合の常として、立ち上がりに点を取り合うことが多い。負けなし期間中は、先制して序盤にリードする展開が多かった。しかし5回以降に失点して迫られたり、追いつかれる展開もあった。

 すごいのはこの間、6試合あった延長戦で2得点した上で失点0だったこと。得点が多い8、9回の終盤、そして延長戦からの異様な粘りが「僅差試合での大連勝」につながったといえる。

「勝利打点」を挙げた選手もバラけている

 この期間中に挙げた11勝の「勝利打点」は以下の通り。

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