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井上尚弥“PFP1位”激論の真相「英国人記者の発言が…」米リング誌の日本人パネリストが明かす舞台裏と投票内容「井上は胸を張るべきだ」 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2024/05/13 11:04

井上尚弥“PFP1位”激論の真相「英国人記者の発言が…」米リング誌の日本人パネリストが明かす舞台裏と投票内容「井上は胸を張るべきだ」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

米リング誌が選定するPFPランキングで1位に返り咲いた井上尚弥。2年前は一票差の大接戦だったが、今回は2位に大差をつけた

 乗り継ぎのミネアポリスで再びiPhoneを開くと、冒頭で述べた通り、井上をサポートする声が次々と飛び出して来た。口火を切ったのは、リングマガジンの元マネージングエディター、トム・グレイ氏。スコットランド出身のグレイ氏の意見はこうだ。

「私は井上の1位に1票を入れたい。バド(クロフォードの愛称)とウシクは2020年代に入って4勝0敗だが、井上は8戦全勝(8KO)。リング内の功績では上回っている。ネリ戦は彼のキャリアでトップ3に入るパフォーマンスだったと思う。ダウンから回復し、すぐにあのように適応した。SNSの風変わりな世界では、“井上はダウンするくらいだからたいしたことがない”などと言われる。ただ、カシアス・クレイ(モハメド・アリ)はソニー・リストンを叩きのめす8カ月前に182パウンドのヘンリー・クーパーにダウンを奪われたことがあった。ノックダウンはボクシングにはつきものだ。(ダウン後の)井上の適応は見事だった」 

 ここで議論の流れが変わると、アメリカのマイケル・モンテロ氏もグレイ氏と同様、2020年以降の試合頻度を理由に井上を支持する。加えて「井上の過去3戦の相手はすべてリング誌のスーパーバンタム級ランキングでトップ5に入る選手たちだった」と対戦相手の質の高さも指摘し、“モンスター”を強烈に後押ししたのだった。

杉浦氏の投票内容「井上は2度も破壊した」

 その後、アルゼンチンのディエゴ・モリーリャ氏、アメリカのブライアン・ハーティ氏、ジェイク・ドノバン氏、エイブラハム・ゴンザレス氏、ダグラス・フィッシャー編集長が次々と井上1位を表明。筆者も乗り継ぎ先のミネアポリスで少し落ち着くと、満を持して以下のように“モンスター”に1票を投じた。

「去年の7月、私はクロフォードが井上のわずかに上と見たが、以降、クロフォードは何もしていない(8月に次戦が決まったが)。その間、井上は質の高い相手を2度も破壊した。井上を昇格させるに十分な理由であり、その試合頻度に感謝したい」

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