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「決断は2日前」筒香嘉智32歳が明かす横浜DeNAベイスターズ復帰の舞台ウラ…巨人入り報道で“裏切り者”呼ばわりも「少し嬉しかった」
posted2024/04/22 17:08
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
JIJI PRESS
4月20日。5年ぶりに横浜DeNAベイスターズへの復帰を決めた筒香嘉智外野手が、横須賀スタジアムでの巨人との二軍戦で実戦復帰を果たした。
古巣ベイスターズで“まさかまさか”の復帰劇
「4番・DH」で先発出場。
「この実戦では久々の日本人投手の間合いを計りたいと思っていたのですが、まさかまさかでした」
こう苦笑いを見せた復帰初戦の巨人の先発は、日本人ではなくまさかのヨアンデル・メンデス投手。しかも第1打席は初球の内角球が右肘にドスン。こちらもまさかのデッドボールでの復帰初打席となった。第2打席は空振り三振。そして待望の初安打は5回2死二塁で迎えた第3打席だった。メンデスのストレートを中前に弾き返すタイムリー安打を放って、初打点もマークした筒香は復帰初戦の感想をこう語った。
「久しぶりの実戦で昂るものがあった。試合をできる喜びを感じながら、幸せな時間でした」
2019年10月7日のセ・リーグ、クライマックスシリーズ・ファーストステージの阪神戦以来、1657日ぶりの実戦でのDeNAのユニフォーム姿だ。二軍戦にもかかわらず駆けつけた2950人のファンからは、応援歌の合唱と大喝采が湧き上がった。
紆余曲折を経た古巣への復帰劇。しかし筒香本人の中では最後の最後は至ってシンプルに、DeNAのユニフォームを着る最終決断はできたという。
アメリカ現地時間の3月21日(日本時間22日)にサンフランシスコ・ジャイアンツが、筒香との契約解除を発表。マイナー契約で招待選手としてキャンプに参加した筒香が、腰の故障からほとんど実戦出場ができないままにマイナー降格となり、自らオプトアウト(契約破棄)の権利を行使して、自由契約となることを選択した結果である。
そこから始まった移籍球団探し。そこで代理人のジョエル・ウルフ氏から「日本の球団も視野に入れて探そう」という提案を受けた。
筒香“争奪戦”は日毎に激しさを増し…
「正直に言って、日本に戻ってプレーするモチベーションが、なかなか上がってこなかった」
筒香は当時を振り返る。