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オドーア巨人電撃退団「メジャー100発超の助っ人、アテにならない説」を検証…日本で464発ローズや60本塁打バレンティンの米通算本数は?
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph bySteven Ryan/Getty Images
posted2024/04/01 19:00
ヤンキース時代のオドーア。メジャー通算178本塁打だったものの、開幕前に巨人を電撃退団。“アテにならない”で済まない買い物となった
4位のアダム・ジョーンズは2021年に25年ぶりの優勝を果たしたオリックスで野手陣の精神的支柱となったが、打者としては盛りを過ぎていて主として代打だった。5位のラリー・パリッシュはヤクルトに来た1年目に本塁打王、しかし阪神に移籍した2年目で退団した。
MLBで100本以上打ってNPBにやってきた選手は55人いるが、NPBでの通算本塁打数は平均28.1本に過ぎない。
“日米両方で100本塁打以上”は2人しかいない
MLBとNPBでともに100本塁打以上を記録した打者は、1968年~73年に阪神に在籍したウィリー・カークランド(MLB148本、NPB126本)と、同じく1968年~75年まで東京、ロッテ、阪神でプレーしたジョージ・アルトマン(MLB101本、NPB205本)の2人しかいない。
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MLBで実績を残した選手の多くは、30代半ばになっている。多くは盛りを過ぎて、MLBで契約できずFAになって日本にやってきている。それでも長く通用するほど日米の格差は大きくない。しかも大物外国人は概ね高年俸で、コストパフォーマンスは良くない。
なおトリビア的に言えば――日本に来たMLB最多本塁打者は、アンドリュー・ジョーンズではなく通算555本塁打を打ち、2017年に独立リーグ高知ファイティングドッグスにやってきたマニー・ラミレスということになる。
NPB通算本塁打外国人トップ15のMLB時代は?
では反対にNPBで本塁打を量産した外国人打者は、MLBでどんな実績を残していたのか? 以下、外国人のNPB通算本塁打15傑のMLBでの実績。カッコ内は最終所属チーム。
タフィ・ローズ(オリックス)左【NPB】464本 【MLB】13本
ラミレス(DeNA)右【NPB】380本 【MLB】12本
カブレラ(ソフトバンク)右【NPB】357本 【MLB】5本
バレンティン(ソフトバンク)右【NPB】301本 【MLB】15本
リー(ロッテ)左【NPB】283本 【MLB】31本
ブーマー(ダイエー)右【NPB】277本 【MLB】0本
レオン(ヤクルト)右【NPB】268本 【MLB】出場なし
ブライアント(近鉄)左【NPB】259本 【MLB】8本
ジョーンズ(近鉄)左【NPB】246本 【MLB】2本
ウッズ(中日)右【NPB】240本 【MLB】出場なし
ペタジーニ(ソフトバンク)左【NPB】233本 【MLB】10本
マルカーノ(ヤクルト)右【NPB】232本 【MLB】出場なし
シピン(巨人)右【NPB】218本 【MLB】2本
レアード(ロッテ)右【NPB】213本 【MLB】6本
フェルナンデス(オリックス)右【NPB】206本 【MLB】0本