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松坂大輔のライバル・PL学園4番の長男が横浜に入学! 父・古畑和彦の心境は?「すごく嬉しかった」「松坂に伝えると…」 

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内田勝治

内田勝治Katsuharu Uchida

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photograph byKatsuharu Uchida

posted2024/04/01 11:02

松坂大輔のライバル・PL学園4番の長男が横浜に入学! 父・古畑和彦の心境は?「すごく嬉しかった」「松坂に伝えると…」<Number Web> photograph by Katsuharu Uchida

古畑和彦さん(左)と雄大の親子2人。松坂大輔からプレゼントされたグラブを手に、横浜へと入学する

「君たちは必ず甲子園に出て全国制覇を目指します」

「史上最強世代」に監督がパワポを使って伝えたプレー

 今年の横浜の新入部員は「史上最強」という評判が、SNSを中心とした口コミで広がっている。もちろん、母校のPL学園も和彦さんの在学中は全国各地から野球エリートが揃っていた。ただ、入学前から集合をして、ここまで強く「全国制覇」を意識させられたことはなかった。

「感動しました。村田監督がパワーポイントを使って横浜高校の歴史なども説明してくださるんですけど、2022年夏の神奈川大会決勝で、横浜が東海大相模に1対0でサヨナラ勝ちした時、ライト前ヒットでセカンドランナーが本塁に紙一重の差でセーフになる写真を見せていただいたんですよ。『この選手は毎日、二塁から本塁への走塁練習をしており、この決勝戦の場面で生還した。君たちはこのレベルでプレーするんだ』と言われた時は痺れましたね」

旧敵の松坂大輔に報告すると…

 長男の横浜入学を、真っ先に報告したい人がいた。26年前、夏の甲子園で延長17回の死闘を演じた松坂大輔さんだ。その意外な反応に、古畑さんは驚かされた。

「松坂にすぐに報告したら『横浜高校を選んでくれてありがとう!』って言うんです。普通は『凄いな』とかになるんですけど、彼の性格の良さが出ていますよね。本人にも『報告した他の横浜メンバーから“横浜を選んでくれてありがとう”なんて言葉はなかったよ』と伝えました」

会ったこともないのにグラブを作ってもらえるなんて

 今年1月。延長17回に劇的な勝ち越し2ランを放った横浜OB・常磐良太さんの結婚披露宴で、松坂さんと話をした。そこで「松坂さんの野球道具が欲しい」と懇願していた雄大の話を伝えると、後日、手の平部分に「古畑雄大」と刺繍されたグラブが届いた。松坂さんの弟である恭平さんが設立したスポーツブランド「ONE OF THE ANSWER(ワン・オブ・ジ・アンサー)」のグラブで、今年から柳田悠岐外野手(ソフトバンク)や、東練馬シニアと横浜で雄大の先輩となる万波中正外野手(日本ハム)もアドバイザリー契約を締結。厳選された和牛や北米キップレザーなど基準をクリアした良質な革は、プロの間でも評判となっている。

【次ページ】 父も部署異動で新天地へ

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