濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
2009年生まれの中学生レスラーが目指す文武両道…美蘭(14歳)が観客を驚かせたド迫力エルボー「中学生、高校生のレスラーは意識します」
posted2024/03/24 17:00
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Essei Hara
3月9日の横浜武道館大会は、美蘭にとってスターダム本戦初出場、なおかつ初の“ベルト挑戦”だった。
美蘭は一昨年4月、井上京子率いるディアナからデビュー。後楽園ホールでの初戦の相手も京子だった。2009年生まれの14歳、4月から中学3年生になる。
スターダムでは若手興行『NEW BLOOD』に参戦、ディアナにも若手主体の道場マッチがあり、順調に経験を積んでいる。今回のタイトル挑戦も、成長ぶりが評価されてのことだろう。今年に入ると、ディアナで新設された新人対象のタイトル・クリスタル王座の初代チャンピオン決定トーナメントで決勝に進出している。
「高校生vs中学生」のタイトルマッチ
3.9横浜大会ではスターダムの新人王座フューチャー・オブ・スターダムに挑戦。チャンピオンの吏南はこれが7度目の防衛戦だ。こちらは2006年生まれの17歳。美蘭戦は高校生と中学生のタイトルマッチということになる。
ディアナのクリスタル王座は、チャンピオンの証が王冠だ。だからフューチャー王座戦は初めての“ベルトをかけて”の一戦ということも美蘭には新鮮だった。
吏南とは1年前にも対戦している。
「その時のバックステージコメントで“次やる時は勝ちます”と言ったし、今回は絶対に勝ちたかった。成長した自信もありました。でも吏南選手はそれ以上に強くなっていました」
その一方で、こんな言葉も。
「吏南さんと試合して、自分が持っているものすべてを出すことができたと思います。勝つためには、今の武器をもっと磨いていきたいです」
「ゴツッ!」観客を驚かせたド迫力エルボー
結果はフォール負けだったものの、大技ラッシュを受けても粘りに粘った。本戦初出場で美蘭を初めて見るスターダムファンに、十分なインパクトを残したはずだ。