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なぜアルゼンチンに？ 高3でプロ契約の至宝・貴田遼河18歳が驚きの移籍決断「オファーはアジアカップ帯同中に」「不安はまったくない」
posted2024/03/08 11:00
名古屋グランパスからアルヘンティノス・ジュニアーズに期限付き移籍した貴田遼河（18歳）。出国前の空港で、その思いを訊いた
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph by
Kiichi Matsumoto
2024年シーズンの開幕を間近に控えた2月4日、名古屋グランパスに所属する18歳のストライカー・貴田遼河の海外挑戦が発表された。
名古屋グランパスU-18出身の貴田は高校3年生だった昨年5月にプロ契約を結ぶなど、将来を嘱望されるタレントだ。今の時代、10代の選手が海を渡ること自体は珍しくないが、意外だったのはその移籍先。ヨーロッパではなく南米、アルゼンチンのアルヘンティノス・ジュニアーズだったのだ。
貴田はなぜ、海外挑戦の第一歩としてアルゼンチンを選んだのか――。
ワールドカップ優勝国から吸収したい
――去年のグランパスでの活躍を見て、近い将来海外に飛び出すだろうと思っていたけれど、まさかアルゼンチンとは……。最初の質問はシンプルに、なぜ、アルゼンチン？
貴田 子どもの頃から（ルイス）スアレス選手だったり、（リオネル）メッシ選手だったり、南米の選手に憧れることが多かったんです。ゴールに向かって強い矢印を出し続けるのが自分のスタイルであり、特長だと思うので、自分の原点というか、南米のサッカーの中で自分のスタイルをより確立させたいなって。10代という若い年齢で行くことで、より多くを吸収してレベルアップできると思いますし、アルゼンチンはワールドカップ優勝国なので。そういう国で成長して、活躍して、そこからヨーロッパに行くというのが目標です。
――オファーが届いたのはいつだったんですか？
貴田 トレーニングパートナーとしてアジアカップに帯同している最中ですね。
――即決でした？
貴田 いや、早ければ早いほうがいいという気持ちはありましたけど、3年間育ててもらった名古屋に対して感謝の気持ちもあったので、いざ、オファーが届いたら、悩みましたね。ただ、最終的には自分の夢や目標に向かってチャレンジするほうに気持ちが行きましたね。
――昨年、グランパスとプロ契約を結んだときには「高校生でプロ契約を結ぶのが目標だった」と話していたでしょう？ 海外への思いが膨らんでいったのはいつ頃から？
貴田 海外でのプレーは小さい頃からの目標だったので、チャンスがあったら行きたいな、とはずっと思っていて。いつとか、何かきっかけがあるとかじゃなく、プロ契約を結んだり、試合に出たりするにつれて現実味が増してきて、海外に行きたいなっていう思いが膨らんでいった感じです。
