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格闘技PRESSBACK NUMBER
「中日の監督にケンカを売ったと書いてください(笑)」令和の米騒動に喝!“マッスル米農家ファイター”手塚裕之が語る「僕が減量しない理由」
posted2024/02/16 17:15
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
Number Web
「実家の米」で作り上げた驚異の肉体
「筋肉と米は裏切らない」
ユニークな一方で、妙に説得力のある箴言を世に発し続けるMMAファイターがいる。先日、武尊vs.スーパーレックを組んだONE Championshipで活躍中の手塚裕之だ。
ニックネームは、一度見たら忘れられないマッチョな風貌から“ジャパニーズ・ビースト”。主食は栃木県の実家の田んぼから収穫された米だ。手塚は声を大にして主張する。
「プロテインやサプリメントばかり気にしていないで、もっと米を食えよ!」
とはいえ、冷静に考えると、階級制スポーツにおいて手塚の体つきは異端であることがわかる。格闘技の世界では「ボディビルダーではないのだから、見てくれの筋肉は必要ない」という説が幅を利かせているからだ。それを証明するかのように、重量級を除いて筋骨隆々の一流ファイターは皆無に等しい。
時代の流れに逆行するかのような手塚の肉体美に対して、ドーピング疑惑がかけられることもあった。そのことは本人も承知しており、自身のYouTubeではインタビュアーと冗談を交えながらこんなやりとりを繰り広げている。
「コイツ、薬(筋肉増強剤)をやっているんじゃないの? という疑惑があるようです」
「ステ疑惑? 俺の試合を放送したABEMAのコメント欄にも出てましたね。なんなら『米ロイド』って言葉が生まれてましたよ(笑)。『コイツ、米ロイドじゃね?』って」
「どうですか、その辺?」
「ステロイドはやっていません! 当たり前ですよね(笑)。疑惑を持っている人たち、僕はいつでも検査を待ってますんで」
中日の白米禁止令に喝!「ちょっと短絡的ですね」
筋肉だけではない。手塚が大好きな白米にしろ、丼飯で何杯もおかわりするような豪快なエピソードは、昭和の遺物になりつつある。少なくとも減量期に入れば、米を含め炭水化物はしっかりとコントロールしながら少量しかとらないという考え方が一般的なのだ。
そんな格闘技界の常識を、手塚は「常識は疑ってかからないとダメ」と一笑に付す。