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ボクシングPRESSBACK NUMBER
井上尚弥のせいで海外メディアが激論?「私は年間MVPには推さないが…」前代未聞の“PFP1位が2人”説も…英国人記者が重要な証言
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byHiroaki Yamaguchi
posted2023/12/28 11:08
覚悟を決めてリングに向かう井上尚弥。試合後、スーパーバンタム級での防衛戦へ意欲を示した
パウンド・フォー・パウンドも激しい議論になるのでしょう。先週の時点でクロフォードが1位、井上が2位。この2人のどちらが上位かが焦点になります。
井上がわずか1年で2階級の4団体を統一したことは偉業ですが、PFPの観点で見ると、それ自体が井上がクロフォードよりも上という理由づけの決め手になるとは思いません。クロフォードが長い時間をかけ、ウェルター級のタイトルを集めていったことにも同じだけの価値があると考えるからです。
両者の業績はほぼ互角。よく言われることですが、井上とクロフォードが同格の1A、1Bというくくりでもいいとすら思っています。井上が1位という意見が大多数だとすれば、私は特に問題なく受け入れます。ただ、ここでもあくまで個人の意見を言うなら、依然としてクロフォードがわずかに上というのが私の結論になります。
「スーパーバンタム級で戦う」は賢明?
試合後のリング上で井上はもうしばらくスーパーバンタム級で戦うと宣言しました。賢明かつ適切な判断だと考えます。フルトンに勝った直後から、一部のファンは次の対戦相手として現在は3階級上で戦う3階級制覇王者のジャーボンテ・デービス(アメリカ)の名前を出し始めました。そんなことを言う人は正気だとは思えません。
マニー・パッキャオ(フィリピン)が複数階級を飛び越えたのは見事でしたが、階級ごとに戦うボクサーもリスペクトされるべきであり、井上にもそうしてほしいと願います。スーパーバンタム級には何人か強豪ボクサーが属しています。WBCから指名戦の相手として義務付けられているルイス・ネリ(メキシコ)との戦いは好内容になるでしょうから、ぜひとも次戦で実現させてほしいです。また、前WBAスーパー、IBF王者MJ・アフマダリエフ(ウズベキスタン)もエリミネーターをいい形で勝ったばかり。つまり井上にはまだこの階級で戦うべき相手がいるということです。