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師・山本“KID”徳郁のように…“RIZIN大晦日は無敗”堀口恭司が語る圧倒的な自信「(トラッシュトークは)自分はあまり好きではない」
posted2023/12/31 17:05
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
いまや大晦日恒例となった格闘技イベント『RIZIN』で、この日に限っていえば5戦全勝と無敗レコードを更新中のMMAファイターがいる。12月31日に新設されるRIZINフライ級王座を、10連勝中の神龍誠と争う堀口恭司だ。
「自分はファンの時代から年末の格闘技を観ているけど、大晦日は格闘技という感じで完全に根付いている。一番印象に残っているのは、KIDさんと魔裟斗さんの一戦(2004年12月31日・大阪ドーム)ですね」
KIDとは'18年9月に急逝した堀口の師・山本“KID”徳郁氏を指す。いま、格闘家人生の道を開いてくれた恩人のように大舞台で戦う。
神龍とは'23年7月30日の超RIZIN.2で新設されたBellatorフライ級王座を懸けて初対決。試合開始わずか25秒で堀口の指が神龍の目に入ってしまい、ノーコンテストになってしまった。その3カ月前にはハワイで開催のBellatorに出場予定だったが、対戦相手の体重超過によって試合が流れている。2試合連続で不運に見舞われてしまったわけだが、堀口は「勝負はなるようにしかならない」と割り切る。
神龍の印象を聞くと、堀口は「怖いもの知らずという感じですね」と語る。過去に似たようなタイプと対戦したことはあるかと続けると、堀口は「たぶん似たようなタイプはいなかったと思うけど、基本的に自分は相手のことはあまり気にしない。自分のやるべきことをやればいいという感じなので」と言い切った。
「得意なポジションをとれば、どの局面でも圧倒できると思う」
堀口の格闘技のベースは伝統派空手にある。遠い間合いから一気に距離を詰め、打撃を打ち込むスタイルは空手家時代に培われたものだ。その打撃を武器に31勝のうち15のKO勝ちを誇る。その一方で寝技も得意で、肩固めなどで4つの一本勝ちを収めている。今回も自信満々だ。
「得意なポジションをとれば、どの局面でも圧倒できると思う」
試合以外で気になることもある。11月20日、堀口の主戦場であるBellatorが、新興のMMAプロモーション『PFL』に吸収合併されることがアナウンスされたのだ。
以前から噂になっていただけに、堀口も「そうなるとは思っていた」と本音を漏らす。「まだ内情は全然聞いていないのでわからないけど、PFLにはフライ級やバンタム級がないので、軽量級はどうなってしまうのかという思いはありますね」
だからといって焦りはしない。
「どういうふうに転んでも、自分が(戦う舞台を)選択できるポジションにいると思っている。これからも自分がやりたいことをやっていこうと思っています」