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師・山本“KID”徳郁のように…“RIZIN大晦日は無敗”堀口恭司が語る圧倒的な自信「(トラッシュトークは)自分はあまり好きではない」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2023/12/31 17:05
大晦日のRIZINでは神龍誠と対戦する堀口恭司
トラッシュトークは「自分はあまり好きではない」
ニックネームは“最強のMade in Japan”である。世界最大のMMA組織『UFC』で7勝1敗と大きく勝ち越す。堀口は「過去のこと」と謙遜するが、尊敬されるキャリアであることは確かだ。12月上旬、堀口は初の著作『EASY FIGHT』(幻冬舎刊)を上梓した。帯に記された「ごちゃごちゃ語るな。やるべきことに集中しろ。」という言葉に彼の強いメッセージを感じる。もっといえば、SNSによるトラッシュトーク(汚い言葉を使って相手を精神的に揺さぶる手法)全盛の格闘技界の潮流に疑問を呈しているのだ。
「SNSが普及してきて、選手の方からも積極的に発信するようになった。その中にはあんまり勝っていないような選手もいる。そういう見せ方もあるかもしれないけど、自分はあまり好きではない。そっちばかりに集中するなと言いたいですね」
'16年1月、堀口は米国フロリダ州に渡り、名門アメリカントップチーム(ATT)に腰を落ち着けた。このメガジムには自分がさらに強くなるための環境が整っていると感じたうえでの大胆な行動だった。
「活動の拠点を移して本当に正解だった。技術は最先端だし、コーチも仲間も真剣に上を目指している。同じ気持ちの人たちがまわりにいるということは自分のモチベーションにもなっています」
もっとも、神龍戦後、堀口はすぐATTに戻るわけにはいかない。来る1月21日、地元群馬県でエグゼクティブ・プロデューサーを務める新たな格闘技イベント『TOP BRIGHTS.1』の開催を控えているからだ。出場選手の中にはムエタイ界の大物・吉成名高の名も。
「本物の強さというところに注目してもらう大会にしたい。格闘技は結果が全ての世界。最後は本物しか残らないですから」
堀口は自らのファイトと思いのこもった主催大会で、格闘技の本質を改めて世に問いかけようとしている。
堀口恭司Kyoji Horiguchi
1990年10月12日、群馬県生まれ。修斗で活躍し、'13年にUFCデビューした。'17年からRIZINに参戦して'18、'20年バンタム級王者。'19年にBellator世界バンタム級王者で2冠。165cm。