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望月慎太郎「躍進の陰にあった葛藤。20歳が掴んだ覚醒のカギ」
posted2023/12/29 09:00
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph by
AFLO
2023年7月のウィンブルドンでグランドスラム初出場。望月慎太郎は、まだ20歳だった。20代後半で四大大会デビューする選手も多い中、順調な歩みと言える。だが、この大会で望月は、自分が歩んだ道のりをこんなふうに振り返った。
「時間はかかったが、それでも崩れず、一歩ずつでも前に進んできたことで、ようやくたどり着けた」
ようやく、と感じたのは、彼が16歳で一度、頂点に立っているからだろう。'19年ウィンブルドンジュニアで日本男子選手として初めて四大大会のシングルスを制し、その後、ジュニア世界ランクでも1位になった。次は年齢制限のない本戦で、そう心に誓ってから4年。もっとできるはずなのに、という自分への期待に、結果が追いついてこなかった。
「そうですね、そこはかなり。思わないようにしてはいましたけど、思ってしまったことはありましたし、同い年の(カルロス・)アルカラスや(ホルガー・)ルネが活躍してるのを見て、そこでまた焦りが出たり、という悪循環はかなりあった」