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望月慎太郎が下部ツアーで初優勝。特異なスタイルと進むべき道。
posted2023/05/02 09:00
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph by
Getty Images
望月慎太郎って、今どうしているの? そろそろ、こんな声が聞こえてきてもおかしくなかったと思う。'19年のウィンブルドンで日本男子選手として初めて四大大会ジュニアのシングルスを制し、16歳でジュニア世界ランク1位にもなった逸材だが、プロツアーでは、とんとん拍子の出世とはいかなかった。この4月、ようやくチャレンジャー(下部ツアー)初優勝。世界ランクは216位と自己最高を更新し、四大大会の予選枠も見えてきた。
プロ転向は'21年11月。コロナ禍の影響もあったが、芽が出るのに時間がかかったのは特異なプレースタイルゆえだ。力強いサーブとフォアで押す選手がほとんどだが、望月はネットプレーを武器に、ショットの組み立てや持ち前の勝負勘で白星をたぐり寄せる。ジュニアでは成功したが、強打者がそろうプロツアーではこれが通用せず、力負けしていた。