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「おぉ!ウチの社員がプロ野球選手になったぞ」JR現役駅員がドラフト5位で阪神へ…なぜ社会人野球は必要なのか?「私はドラ1投手と広島駅で働いてました」 

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鼠入昌史

鼠入昌史Masashi Soiri

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posted2023/12/24 17:05

「おぉ!ウチの社員がプロ野球選手になったぞ」JR現役駅員がドラフト5位で阪神へ…なぜ社会人野球は必要なのか?「私はドラ1投手と広島駅で働いてました」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

今年のドラフト会議。阪神から5位指名を受けたJR西日本の石黒佑弥投手。現役駅員として働いていた

「選手と応援団が手を振り合ったりしている姿を見ると、家族のような一体感があるなあと感じます。やっぱり、社名を背負って上を目指していくというのは普段の仕事とは違う感覚だし、それを笑顔で応援することができる。野球部が頑張ってくれるから、私もチアで踊ることができるわけですし」(熊谷さん)

 熊谷さんにはちょっとした野望もある。2023年の都市対抗では、JR西日本からチアに参加したのは熊谷さんただひとり。ただ、社内にはチアを経験したことのある社員ももちろんいる。大学ではやっていなくても高校ではチア部だった、また経験はなくてもやってみたいという人も。

「そういう方たちも一緒になって応援できるようになるとうれしいですよね。経験者は結構いるって聞いているんですよ。だから声をかけていって、輪を広げていきたいなと思っています」(熊谷さん)

 JR西日本のエリアは、近畿・中国を中心に北陸にまで広がる。それぞれの仕事もさまざまだ。野球部がなければ、山本さんと湯原さんと熊谷さんが顔を合わせることもなかったかもしれない。

「応援に参加すれば、そこで初めて会った別部署の人と仲良くなって、試合後に飲みに行ったりすることもありますからね。そういうのを通じて、同じ会社でも知らなかった他の仕事のことを知れたり、会社としてのつながりが強くなっていく。そういう側面もあるんじゃないかと思います」(湯原さん)

「野球部に興味がない人もいますよ(笑)」

 JR西日本の主たる業務である鉄道事業。運転士や車掌、駅員にはじまり、線路や車両などを整備する人まで実にたくさんの人たちが関わって、はじめて1本の列車が安全に走ることができる。ただ、それぞれまったく違う部署で仕事をしているので、日常的に関わることはほとんどないといっていい。それが、野球部の応援の時だけは一堂に会する。それだけでも、実は列車の安全運行にも通じうる、貴重な機会になっているのだ。

「野球部に興味がない人もいますよ(笑)。ただ、それでも自分の会社の野球部が全国大会に出るとか、選手がドラフト指名されるとか、そういうニュースはみんな見ているし、話題になっていることを喜んでいる雰囲気はあると思います。『負けちゃったねえ』みたいな世間話をしているのも聞きますからね」(熊谷さん)

 全国大会に出場すれば、関連会社を含めて全エリアから人が集まってくる。昔の同僚と久々の再会、などということも多い。スタンドは、さながら同窓会のようになっているという。いつもは自分のことだけに集中して仕事をしていても、こういう機会に会社のことを改めて意識する。野球部は、愛社精神から応援するものではない。むしろ、野球部が会社の結束をもたらしてくれる、かすがい、なのだろう。

<前編から続く>

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休部が相次ぐ社会人野球だが…「私、チアリーダーやってみたいです!」企業が野球部を持つ意味はあるか? JRの車掌さんが大声で応援するチーム

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