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フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
「いずれ世界のトップを狙える」海外コーチが断言…アイスダンス“かなだい”の次を担う「4人の日本人」とは? 吉田唄菜&森田真沙也の目標
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph bySean Gillis
posted2023/12/15 17:00
ゴールデンスピン杯で演技を行うアイスダンスの吉田唄菜&森田真沙也組
「世界のトップを狙える」海外一流コーチが太鼓判
「どちらの組も、すごく良いものを持っている。続けていけば、いずれ本気で世界のトップを狙えるチームに成長すると思います」
そうコメントしてくれたのは、マリナ・ズエワコーチの右腕としてかなだいの指導にもあたってきた、イリヤ・トカチェンコだ。この会場にはコーチとして自分たちのチームに同行してきたが、日本の2組を見た感想を熱をこめて語ってくれた。
また同じく会場に来ていたイゴール・シェピルバンドもわざわざ筆者のところに来て開口一番、「日本の若手チーム、とてもいいですね! 初めて見たけれど、どちらもとても才能があると思う」と絶賛した。彼はソチオリンピック金メダリストのデイビス&ホワイトらを幼少時から指導し、北米のアイスダンス王国の基礎を築いたベテランコーチである。「大切なのは、長く続けていくこと。才能は十分あると思います」とエールを送ってくれた。
期待されていたジュニアの2チーム
もともと吉田唄菜&西山真瑚は「うたしん」の愛称でファンから親しまれ、将来を期待されていたジュニアチームだった。2020年1月にユースオリンピック混合団体戦で金メダルを手にして注目を浴びたが、その1年後に解散を宣言。それぞれが新パートナーを探していた。
一方その吉田と6月に結成を公式発表した森田真沙也は、前のパートナー來田奈央と日本のアイスダンサーとして初めてジュニアGP大会のメダルを手にした経歴を持つ。彼らもまた約3年間の活動の後、2023年4月に解散して次のパートナーを探していた。
小松原美里&ティム・コレト組をかわして優勝
吉田&森田組の誕生のきっかけは、森田の方から声をかけたのだという。
「4月に僕の方からお声かけして、短期間トライアウトをしてやろう、ということになりました」
6月に新チーム結成を公表し、森田が長年指導を受けていたキャシー・リードに師事して現在京都の木下アカデミーでトレーニングをしている。
10月の西日本選手権では、僅差で田中&西山組、ベテランの小松原美里&ティム・コレト組をかわして初優勝をきめた。二人ともよく伸びるスケーティングがきれいに揃い、表現力のバランスも良い。まだ組んで半年余りとは思えないが、初めて組んでから慣れるまで苦労もあったのか。そう聞くと、
「すごく良い感じ。(吉田とは)すごく滑りやすいし、アイスダンス1年目ではなく組んで1年目なので。のびしろはあると思うので、もっと練習して日々成長していきたいです」と森田。もともと基礎のスケーティング技術は似ていたわけではないが、一緒に滑ってみてすぐにしっくりきたのだという。