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卓球PRESSBACK NUMBER
出産から1年、平野早矢香(38歳)が初めて明かした“流産の過去”「言われてからの1週間は…」つわり、母乳問題も…元卓球日本代表と娘の話
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byL)Kiichi Matsumoto、R)本人提供
posted2023/12/02 11:02
ロンドン五輪の卓球女子団体銀メダリスト平野早矢香さん。昨年第一子を出産し、現在は一児の母だ
――子育てはやはり大変ですよね。
平野 そうですね。でも、大変は大変なんですけど、やっぱり娘は可愛いですね。もちろん育児は楽しいだけではないですけど、自分が娘と一緒にいる時間は今までに感じたことのない幸せを感じます。
――現在は10カ月ちょっとですね。
平野 日に日にできることが増えていっていますね。今だと、『いない、いない』と言ったら『バー』と言ったり、『バンザイ』と言ったら両手を上げたり。そういう意味では大人の私たちがやっていることを本当によく見てるし、聞いていると感じます。例えば、こうやって立つんだよとか、こうやって持つんだよとか、何も教えてないのに、トライ&エラーで自分で見つけていく。子供ってすごいなって思いますね。
「卓球はできればやらせたくない」と語る理由
――子育てについて、平野さんのモットーがあれば教えてください。
平野 仕事もさせてもらっていますが、やはり子どもが中心。それと、子どもってすごく敏感で、親が考えていることも感じ取っているような気がするので、まだどれくらい言葉を理解してるか分からないですが、夫も私もちゃんと話をするように心掛けています。
――お子さんには将来、卓球選手になってほしいですか?
平野 卓球はできればやらせたくないです。本人が言い出したらそれを止めることはできませんが、むしろ違う道を歩んでほしい。それは、私が卓球に打ち込んだことで出来なかったこともたくさんあるからです。大学に行けなかったですし、バイトすらやったことがない。やはり、一つのことを選択したらもう一つのことができなくなるという、メリット・デメリットがあります。ただそれも、全部娘が選択していくことなんですけどね。
――どんな風に育っていくか、楽しみですね。
平野 何かやりたいと言ったら、それをできるような環境を作ってあげたいですね。というのは、私も夫もそういう環境で育ってきたからです。だから、自分の娘に何かやりたいということができたときには、それを思う存分やらせてあげたいよね、と話しています。
優しい性格で、怒ったのを見たことがないというご主人との子育て。「笑顔でいられる雰囲気を保てたら良いなと思っています」と言う平野さんはすっかりママの顔だった。《インタビュー後編では、熾烈な代表争いを続ける現在の日本女子卓球界、そして引退した盟友・石川佳純への思いを明かした。つづく》