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[木村義雄から藤井聡太まで]受け継がれし大棋士の系譜 木村義雄/大山康晴/中原誠/羽生善治/藤井聡太
posted2023/11/23 09:00
中原誠 Makoto Nakahara 1947年9月2日、宮城県生まれ。高柳敏夫名誉九段門下。十六世名人。タイトル獲得は64期(歴代3位)。'67年度の勝率.855(47勝8敗)は現在も歴代最高記録の「棋界の太陽」
text by

後藤元気Genki Goto
photograph by
Bungeishunju
いよいよ本格的に藤井聡太の時代が到来した。八冠全制覇を果たしながら、いまだ21歳。末恐ろしいというしかない。
過去にも将棋の歴史の中で、時代を制したといえる棋士がいた。彼らはどのように王国を築き、そして舞台から去っていったのか。共通点と相違点を探しながら、新たな王者の今後を展望していきたい。
四百余年の将棋界の歴史における最大の転換点は、1935年、終生名人制から実力名人制への移行だろう。そして初代実力制名人には、常勝将軍とうたわれた木村義雄十四世名人が輝いた。
木村は最後の終生名人となった関根金次郎十三世名人門下。早くから頭角を現し、1920年に四段昇段を果たした。
当時は規定が異なるうえ日時など厳密でないこともあるが、木村の四段は15歳5カ月あたりが有力とされている。これは藤井の14歳2カ月には届かずとも、羽生善治と渡辺明の間だから十分に早熟といえる。
時代を築く棋士は総じて早熟の天才であり、そのうえで持続晩成の素養がなければ長期政権を築くことはできない。
数々の最年少記録を塗り替え続けてきた藤井は、早熟の面では過去の誰よりも優れている。常々自己の成長と将棋への探求心を語る彼の成長曲線は、よほどのことがない限り下降することはないはずだ。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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