Number的、ウマ娘の見方BACK NUMBER
ドゥラメンテの“パカパカ歩き”を忠実に再現…アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』の“史実”を考察してみた「キタサンが使った糸の色は…」
text by
屋城敦Atsushi Yashiro
photograph by©2023 アニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」製作委員会
posted2023/10/06 18:00
1話の冒頭、皐月賞の最終直線を走るキタサンブラック。話題になった1話に盛り込まれた史実を読み解いていく
その後もトレーニングに精を出すキタサンブラック。ハンマーを使って河川敷の堤に杭を打ち込む、第2期でも見られた某ボクシングマンガでおなじみの特訓など、日を追うごとに熱がこもっていくが、自身が圧倒されたドゥラメンテの才能に対する恐怖心もまた膨らんでいく。
サトノダイヤモンドが話した「サトノのジンクス」
本番前日。駅前広場では縁日が開かれ、多くの人で賑わっていた。その入口には大きな鳥居もあり、東京競馬場の近くにある大國魂神社の参道横広場がモデルだと思われる。そんな中、キタサンブラックとサトノダイヤモンドはベンチに座って語らう。ダービーへのプレッシャーを隠しきれないキタサンブラックだったが、その一方でサトノクラウンやサトノダイヤモンドは“サトノのジンクス”と戦っていると知ることになる。
じつは史実でも同様のジンクスがあった。冠名「サトノ」で知られる里見治オーナーは1992年の参戦以来、重賞戦線でも活躍を続けてきたが、第1話のモチーフとなった2015年のダービー時点で、GIタイトルだけはただの一度も手にすることはなかったのである。結果としてその呪縛から解き放たれるのは2016年の菊花賞まで待たれるのだが、クラシックの有力馬として挙げられていたサトノクラウンらへの期待はかなりのものだったと想像される。
さまざまな思いが交錯する中、快晴の空の下、日本ダービーは開催される。