濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
“朝倉未来を失神させた男”クレベルはなぜ完敗したのか? 金原正徳40歳の“ワンサイド勝利”が偶然ではない理由「寝技でも勝負できる」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2023/09/25 12:53
『RIZIN.44』メインにて、クレベルをパウンドで圧倒する金原正徳
王座挑戦は早ければ大晦日に
必要とされる間は頑張りたいと金原は言う。今日は燃え尽きた、とも。タイトル挑戦に向け、ひとまずゆっくり休みたいところだが「まだRIZINは終わってないので」。10月1日のRIZIN名古屋大会では「背中を押し合って、ケツ叩き合って」切磋琢磨してきた所英男の試合がある。クレベルに勝ち、さらに所の勝利をサポートするまでが今回の金原のミッションなのだ。互いのセコンドにつき、肩を組んで入場する姿はRIZIN名物と言っていい。
「僕ら入場では足震えちゃって、2足歩行できないんで(笑)」
酸いも甘いも噛み分ける40歳の笑顔が眩しい。いま楽しみなのは、所とのダブル祝勝会で一緒に酒を飲むことだという。王座挑戦は早ければ大晦日。“分かる人には分かる”存在だった男が年間最大のイベントでベルトを巻くかもしれないのだ。
その時のチャンピオンがケラモフになるか鈴木になるかは分からない。ただ誰と対戦するにしても、彼の武器は“40代だからできる、コツコツ積み上げてきたMMA”だ。