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メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「ショウヘイはどんなところに住んでるの?」大谷翔平に興味津々のアメリカ人女性、妻を亡くした男性ファン…現地で「オオタニ知ってる?」を尋ねる旅
posted2023/09/21 11:05
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Getty Images
全米で最も有名な書店チェーン「バーンズ&ノーブル」のニューヨークにある大型店舗。ロングヘアにメガネをかけた、知的そうな女性スタッフに尋ねてみた。
「ショウヘイ・オオタニを知っていますか?」
「はい? 何ですか?」
おっと。これは知らない様子。
「あの、ショウヘイ・オオタニの本はありますか?」
「スペルを言ってください」
そう言われて大谷の名前のスペルをゆっくりと口にすると、案内係の女性はコンピュータのキーボードをカシャカシャと叩き、あっという間に本の場所を探し出した。
「こちらにありますね」
何と……あった。
自分で聞いておきながら、正直、あると思っていなかった。
ニューヨークはやはり野球が人気
案内カウンターのすぐ裏側にスポーツ本のコーナーがあり、係の女性は本棚の方へ向かうとまったく迷うことなく大谷本の場所をすぐに見つけた。その本は、オレンジカウンティ・レジスター紙のエンゼルス番記者ジェフ・フレッチャー氏の著書『SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男(日本語版タイトル)』だった。米国ではハードカバーが昨年7月に出版され、今年に入って加筆されソフトカバーになったバージョンが新たに出版されている。棚にあったのは、そのソフトカバー版だ。しかも2冊もあった。
スポーツ本コーナーには6段の大きな書棚が5つ並んでおり、そのうち約3棚分を野球本が占めていた。米国では野球がフットボールやバスケットボールの人気に押されているが、歴史が長いこともあり野球本が圧倒的に多い。それでも無数にある野球本の中で、この棚にあるのは本当にわずか一握り。ニューヨークという場所柄、ヤンキースとメッツの関連本が多いが、その中で大谷本が2冊も置かれているという事実は、ちょっと感動ものだった。
アムトラックで“隣の人”に聞いた
書店での感動体験に気をよくしつつ、ニューヨークからボルティモアへ。全米旅客鉄道アムトラックの午前10時発ワシントンDC行きの列車に乗った。あらかじめ予約しておいたビジネスクラスの窓側の席に着くと、しばらくして30歳前後と思しき白人女性が隣に座ってきた。