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甲子園「東京は大阪に14勝29敗…」東京の名将2人が考えた、“東京が勝てない”理由「東京の人間は『関西に負けるな』とは教えられていない」 

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前田三夫+小倉全由

前田三夫+小倉全由Mitsuo Maeda & Masayoshi Ogura

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photograph byNaoya Sanuki

posted2023/08/21 06:01

甲子園「東京は大阪に14勝29敗…」東京の名将2人が考えた、“東京が勝てない”理由「東京の人間は『関西に負けるな』とは教えられていない」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

今年はベスト8に“東側陣営”が5校出場したが、東京は勝ち上がれず。そして甲子園での“二都”対決は大阪が大きくリードしている

春のセンバツでは、大阪の高校が出場する確率が高い

小倉 私は近畿地区で大阪の高校が選ばれる確率については一つ、思うところがあるんです。それは、「春のセンバツでは、大阪の高校が出場する確率が高い」ということ。
 秋の近畿大会を例に挙げると、出場する16校のうち大阪と兵庫からは毎年3校が出場できる(京都、滋賀、奈良、和歌山の4府県は隔年で2校、3校の出場となる)。そうなるとまず現在一番強いとされる大阪桐蔭は、大阪府の予選でベスト4までには確実に入れる。仮に決勝で負けてしまっても、3位決定戦で勝てばいい。そうして近畿大会に出場して、一つ勝って準々決勝まで行ければ、センバツ出場校に選ばれる可能性が高くなる。こうした図式が成り立つんです。

前田 たしかに今の大阪桐蔭が大阪府の予選で早々に負ける姿は想像しづらいし、あれだけ優秀な選手がいたらちょっとやそっとじゃ崩れないと思うわな。

センバツ選考、東京の場合

小倉 これに対して東京の場合は、東京大会の決勝まで勝ち抜かないと、センバツ出場のチャンスが得られない。そればかりか、決勝でワンサイドの大敗をしてしまうと、センバツ選考の際、「決勝で大きく崩れてしまった」という理由で、他の関東の学校と比較した際に、東京の学校がはじかれてしまう可能性が高い。この点では東京の学校は不利だと思うんですよね。
 
前田 「東京も秋の関東大会に出場すれば解決できる問題だろう」という声も上がるが、制度上、そうなっていない以上は、現行のルールに従って戦っていくしかない。その過程でいけば、東京は決勝で負けるにしても“負け方”というのが問われてくる。
 関東の他の県では県大会の決勝までいけば勝っても負けても関東大会には出場できる権利があるから、控えの投手だったり、野手を起用して経験を積ませることができるけど、東京はいかんせん、そんな事情もあるからそれができないのは痛い。
 
小倉 難しいのは承知なんですが、東京はセンバツ出場を狙ううえでこうしたハンディがあるというのも、実際に戦っていて感じていましたね。

<続く>

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#3に続く
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