だが、二冠王者の中野はこう反論する。

「白いベルトはね。そうやって自分の弱さに胡坐をかいているヤツが巻けるベルトじゃない。人生の修羅場を潜り抜けてきた中野たむの怖さ、強さを思い知らせてあげましょう」

「中野たむは訳わかんない。けど、魅力がある」

　試合前の舌戦がどうであれ、勝負はリングで決めなければならない。

「中野たむは、なんかかわいいツイートするし、かと思えば、ときどき病んでいるようなツイートもする。リングの上ではキラキラ輝くプロレスラーだし、アイドルみたいなところもある。私のことを『訳のわかんないヤツ』みたいに言っていたけれど、こっちからしたら中野たむの方が訳わかんないんですよ。訳わかんないけど、その弱さを強さに変えるみたいな、すごい魅力があるなと感じました」

6月5日の記者会見。顔面がケーキまみれになった中野たむ

　MIRAIは素直に王者へのリスペクトを口にした。

「自分にとって、中野たむ対ジュリアは衝撃的だった。白の王者としての中野たむって、すごく魅力的だと思います」

中野たむもフォークで応戦した

　だからこそ、MIRAIは白いベルトへの挑戦を決めたのだろう。そして「白いベルトとともに成長したい」と瞳を輝かせた。

　つい最近、MIRAIは三冠王者の永田裕志と食事をしたという。ベルト取りの奥義を伝授されたのだろうか。さらに彼女はスマートフォンを取り出し、笑顔で“ある写真”を見せてくれた。

「これ、見てください。シンデレラ2連覇のあと、知り合いがケーキを作ってくれたんですよ。似顔絵のデコレーションも、シンデレラの靴もちゃんとついていて、すごいでしょう。おいしくて自分のことも食べちゃいました（笑）」

「シンデレラのケーキ」の写真を見せるMIRAI

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