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遠藤航「W杯優勝を」“新キャプテン演説”に三笘薫、鎌田大地、堂安律が…1対1で聞いた“舞台ウラの最適解”「その上で考えたのは」 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2023/06/18 11:00

遠藤航「W杯優勝を」“新キャプテン演説”に三笘薫、鎌田大地、堂安律が…1対1で聞いた“舞台ウラの最適解”「その上で考えたのは」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

エルサルバドル戦は出場しなかった遠藤航だが、試合後に新キャプテンとして1対1で話を聞いた記者に興味深い言葉を残した

「日本サッカー協会でも『2050年までに優勝』と言っていますけど、それが次の大会になってもいいわけですよね? 今から優勝を目指していくくらいでないと、そこにはたどり着けないと思いますし。2046年あたりの大会で、急に『優勝を目指します!』というようでは……。W杯で2050年までに優勝するという目標設定があるなら、今からそこを目指していくべきだと思いました。

 それにW杯という大会はグループリーグ敗退から優勝まで、どんなことが起こるかわからないわけで。優勝経験国だってグループリーグで敗退することが普通にあるし、この前のモロッコみたいに一気に躍進するケースもある。だから、ベスト16の壁を意識しすぎずに行くべきだという、マインドセットも含めてああいう話になりました」

“今からW杯優勝を!”仲間の声にどう向き合うか

 そうした前提の上で最適解にたどり着いた2つ目の理由が、チームメイトの雰囲気と空気感を察知したからだ。

「もともと、目標としてはベスト4や優勝が『最適解』なのだろうなという感覚は自分の中にもあったんです。その上で考えたのは……」

 カタールW杯の前から、前キャプテンの吉田らとともに、選手たちの意見を集約して監督に伝えつつ、監督の考え方やチームの在り方を若手にも伝える作業をしていた遠藤だからこそ、感じとれた空気感があった。

「ちょうどカタールW杯の少し前くらいですかね。日本サッカー協会として2050年までにワールドカップで優勝するという目標があるわけですけど、『2050年に目指せばいいということなの? 今からW杯優勝を目指そうよ!』という声も出ていて。ベスト4がいいのか、優勝がいいのかというところで考えてましたけど、周りの選手が『優勝』と言っているのであれば、キャプテンとしても『優勝』と言うべきだと最終的に判断したんです」

 絶対的な解答を決めるわけではないし、周囲にも求めない。その代わり、シチュエーションに応じた最適解を探っていく。あの発言はチームの総意を上手くまとめあげた結果として生まれたものだった。

三笘、鎌田、堂安らは遠藤の言葉を受けてどう語ったか

 実際に、チームメイトたちは今回の活動中に「W杯優勝」という目標について以下のように語っている。

「どの相手にも勝てる可能性がある以上、そこを目指すのは普通かなと思いますし、その上で、(初の)ベスト8(進出)が通過点になればいいかなと思います」(三笘薫)

「全員がそういうところを目指してやっていこうと言っているので。そのためには、選手として成長しないとダメ。僕自身もその手助けになれるような選手になれれば……」(鎌田大地)

【次ページ】 W杯ドイツ戦、遠藤のデュエルが象徴するもの

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