欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
久保建英PK獲得+シルバに絶妙アシストもドローに落胆 だが翌朝「クボ表紙の新聞」を持った地元のおじさんが…カメラマンは見た
posted2023/05/17 11:02
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph by
Daisuke Nakashima
5月13日、リーガ34節、久保建英擁するレアル・ソシエダ対ジローナ戦が行われた。
今節含めて残すところ5節となったラ・リーガ、優勝争い、残留争い、来季欧州カップ戦出場権争いと、各チームがそれぞれの思惑を持って、最終局面に臨む。
現在4位のソシエダは今節の勝利で、来季欧州カップ戦の出場が確定する。4位までがCL、5、6位がEL、7位がカンファレンスリーグ出場圏内となる。前日会見に臨んだソシエダ監督イマノルは、この試合の重要性を強調すると共に、あくまで狙いはCL出場権獲得の4位以上を維持することと明言している。
対する7位ジローナも、ここ5試合を4勝1敗と好調を維持し、カンファレンスリーグ出場権獲得の7位以上の順位を目指す。それぞれの思惑がぶつかり合った一戦の撮影のため、ソシエダの本拠地サン・セバスチャンへ向かった。
土砂降りの雨が降っているかと思えば、青空が覗く、天気の変化が激しい1日だった。
一度は止んでいたが、再び降り出した雨が、ピッチ上で準備を進める選手たちを濡らし始めた。両チーム選手入場と前後するように、最初のピークを迎えた強い雨脚が久保の顔を光らせていた。
小刻みなタッチでいきなりPKを獲得した
現地14時のキックオフと共に、ホームチームが敵陣に攻め入った。開始2分を待たず、久保、ダビド・シルバと繋げたボールをセルロートがボックス内に持ち込むと、そこからの波状攻撃で、アイエン、久保がそれぞれシュートを放っている。
さらに3分には、右サイド深いエリアで久保の元にボールが入る。
小刻みなタッチでじっくりと前進、ボックス内に侵入する久保に相対した相手MFリケルメは、迂闊に飛び込むことはできずにいた。さながら居合い抜きの有り様だった。ためた力を一気に解き放ち左にボールを持ち出す久保に対し、一瞬遅れて反応したリケルメの右足がかかり久保を倒してしまった。
ペナルティースポットを審判が指差したのを確認し、久保はオヤルサバルの元へ向かいPKを託すと、ゴール裏サポーターへ向け、更なる声援を促した。
前節マドリー戦の勝利を含めてホームで4連勝中のチームにとって、サポーターの力が大きな後押しとなっている。落ち着いてPKを流し込んだオヤルサバルの元に改めて久保は駆け寄ると、幸先の良い先制点に喜びを爆発させた。
得点後もソシエダは、積極的に前線からプレスをかけ相手の攻撃を寸断しては相手ゴール前に迫る。その姿は、リーガ序盤の好調時のもので、見ていてワクワクするサッカーが戻ってきていた。