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プロ野球PRESSBACK NUMBER
“構想外”が人生の転機に…阪神Women前田桜茄が語る女子野球のリアル「フルスイングの魅力を知った」「結婚して終われたら…それが理想なんです」
text by
土井麻由実Mayumi Doi
photograph byHaruka Sato
posted2023/05/28 11:02
虎ポーズで…
「女子野球にも個人スポンサーが必要。チーム全体のスポンサーも大事ですけど、それじゃ(個人に)お金が入ってこないんです。バレーボールやゴルフの選手のように個人スポンサーがついて、収入が得られる基盤さえ作れれば……」
野球を愛し、その世界に身を置く前田の、率直な思いだ。
構想外になっても信じた「いつか花開く」
振り返れば女子プロ野球を構想外になった2019年秋。絶望の中でも自分を信じることができた。自分のポテンシャルは自分自身が一番よくわかっていた。
「私を落とすなんてセンスないな。自分の(自分に対する)評価さえ下がってなければいつか花開く、絶対に日が当たるときが来ると思っていたんです。だから、落ちているときにだけは辞めないと信じ続けてきました」
阪神タイガースWomenで充実の日々を過ごし、その集大成が昨年のクラブ選手権での全国制覇とMVP受賞だった。「耐えてよかったなぁ。人の評価で自分を下げなくてよかった」としみじみ感じ入った。
前田桜茄の野球人生はまだまだ続く。「今は辞める理由がない」と全身全霊をかけて野球に打ち込む。ただ、「結婚して終われたら最高じゃないですか。それが理想なんですよ」と、“寿引退”の夢は持ち続けている。その朗報が聞けるのはいつだろうか。
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