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「Vリーグにも世界一になれるチャンスがある」常に“新しい挑戦”を追い求める先駆者・石川祐希が考えるバレーボール界の未来
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byTakahisa Hirano
posted2023/05/10 11:00
世界最高峰のイタリアでプレーする石川祐希。「世界一」を目指し続ける理由や変革に動くVリーグへの期待を語った
その言葉と、また別の事案が重なる。石川がプレーオフでチヴィタノーヴァとの戦いを終えた約12時間後の日本時間4月26日13時、Vリーグが世界一のリーグを目指して2024/25シーズンにスタートさせる「SVリーグ」と「新Vリーグ」に関する記者発表が行われた。
ライセンスは6月の発表を待たなければならず、実際にどれだけのクラブが参入を表明するのかは未定。リーグ自体もプロ化するわけではなく、選手の雇用もプロ契約、社員契約などさまざまで「何が変わるのか」という全貌はまだはっきり見えてこないのが正直な印象だ。選手たちからも「新リーグはどうなるのか」という声も聞こえる。
ただ、イタリアにいる石川は日本のリーグが変わろうとしていることを、前向きにとらえていた。
強い日本人選手を増やすために
「なかなか難しい課題ではありますけど、チャンスはある。実際に日本が世界一のリーグになれば、世界一を目指して海外へ行かなければいけない、という必要性はなくなります。あくまで僕個人の意見ですけど、外国籍選手の枠も今より増やして3、4枠になれば日本にいながら外国籍選手と常に試合ができるので、レベルも上がる。必然的に、強い日本人選手が増えることにもつながると思いますね」
Vリーグが2018-19年にアジア枠を導入する際も、アジアへの知名度が広がる一方、日本人選手の出場機会が減るのではないかというネガティブな見方もあった。だが、自らプロ選手として海を渡った石川の見解はこうだ。
「外国籍選手が増えて、その選手と渡り合えない、試合に出る機会が得られない選手は日本を出て、海外のリーグに挑戦するのも1つの選択肢だと僕は思います。試合に出て経験を積めば力はつくし、そうやって強くなった選手が戻ってきたらまた日本のバレーボールも強くなる。ビジネス的な側面は僕にはわからないですが、新たなリーグが活性化していけば、もっと身近な、子供たちから憧れられるスポーツになっていくきっかけにはなるんじゃないかな、と期待しています」