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元横綱稀勢の里 二所ノ関親方が徹底解説
第九回:朝乃山「あの“ニョロさ”をもう一度」
posted2023/05/12 09:00
text by
二所ノ関寛Hiroshi Nishonoseki
photograph by
Takayuki Ino(Illustariton)
5月14日から始まる五月場所では、朝乃山関が幕内に返り咲きそうです。このところ幕内では毎場所のように優勝力士が変わっていますが、朝乃山関は大関経験者ということもあって、いきなり優勝争いに絡んでくる可能性もあると予想しています。
私は現役時代、朝乃山関とは巡業で胸を合わせていますが、本場所での対戦はありません。初めて巡業で「三番稽古」をやった時の朝乃山関の相撲の印象は、「ニョロッとした感じ」です。意外に思われるかもしれませんが、当時の朝乃山関には力強さがなかったんです。ただ、ニョロッと捉えどころがない感じで右を差してきます。巧さというか、柔らかさというか、どう表現したらいいのか分かりませんが、これには苦戦しました。