ボクシングPRESSBACK NUMBER
「辰吉のボクシングは小学生レベル」「薬師寺にはジャブだけで勝てる」29年前“伝説の薬師寺vs辰吉”の異常な雰囲気、「辰吉ドーピング疑惑」報道まで…
text by
細田昌志Masashi Hosoda
photograph byJIJI PRESS
posted2023/04/06 11:03
1994年12月4日、伝説の「薬師寺保栄対辰吉丈一郎」。中部で視聴率約52%、関東でも約40%を記録した歴史的な一戦だった
(支出)
落札額(約3億4000万円)世界戦承認料(2000万円)会場設営費(2000万円)雑費(1000万円)=合計3億9000万円
(収入)
興行収入(2億円)テレビ放映料(1億5000万円)広告収入(3000万円)=合計3億8000万円
特筆すべきは、当初「9000万円」と伝えられたテレビの放映料が「1億5000万円」に跳ね上がっている点である。聞くところによると、1時間半の特番枠のCMスポンサーが予想を上回る2億円分も集まったためで、CBCは惜しげもなく松田ジムに渡したという。
とはいえ、それでも約1000万円の赤字となる。知人はこう言った。
「薬師寺が試合に勝ったもんだから、ご祝儀があっちこっちから集まった。今と違ってまだ景気のいい時代やからな、その額ちょうど1000万。これでトントンやがな」
<#1、#2から続く>