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「(開幕投手は)察してはいました」過去2戦2敗、DeNA・石田健大30歳が目指す“3度目の正直”「大事なのは“吸い込まれない”こと」 

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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photograph bySankei Shimbun

posted2023/03/27 11:03

「(開幕投手は)察してはいました」過去2戦2敗、DeNA・石田健大30歳が目指す“3度目の正直”「大事なのは“吸い込まれない”こと」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

DeNAの開幕投手に指名された石田健大。3度目の開幕のマウンドに立つ30歳はどのような思いで開幕を迎えるのか

 バウアーの存在はもちろん、ワールド・ベースボール・クラシックで優勝メンバーになった今永の経験も含め、果たして投手陣にどんな波及効果が表れるのか今から楽しみだ。

複数年契約ではなく、なぜ単年契約?

 もうひとつ石田に訊きたいことがあった。それは昨年の契約更改で、球団から3年契約の申し出があったにもかかわらず石田はこれを固辞し、単年契約を結んだことだ。順調にいけば国内FA権取得が近い石田の状況を考慮した複数年契約の提示だったと思うが、なぜ単年契約に至ったのだろうか。そう尋ねると石田はしばし考え「怖かったんですよ」と吐露した。

「複数年契約は誰もが提示されるわけではないので、すごくありがたい話でしたし、球団には本当に感謝しています。かなり悩みましたし、いろんな人にも相談しました。ただ自分のなかで複数年契約を結んでしまうと、(気持ちが)ゆるんでしまうかもしれないと思って、それがすごく怖かったんですよ。成績には満足していませんが、後半いい状態で先発として昨シーズンを終えて『よし、また1年間もっと上を目指していこう』という気持ちが強いなか、複数年契約してしまうと逆に先が見えなくなるというか、それがすごく嫌だったんです。本当に嬉しい話だったのですが、チームの力になるため、そして自分のメンタル的にも単年契約を選ばせてもらいました」

 自分自身まだまだ発展途上ゆえ、誤解を恐れずに言えば安閑とするわけにはいかなかった。強い目的意識をもってキャンプからオープン戦にかけて過ごせたからこそローテーションのひとりとして、栄えある開幕投手の座を手に入れることができた。

プロ初の二桁勝利と完投は「できるだろうなという気持ち」

 まず狙うは初の開幕戦勝利。そしてローテーションの軸として、過去一度しか成し遂げていない規定投球回数のクリア、そして未達成の二桁勝利と、完投をすることが目標だ。

「プロになってから、そこを目指してやってきていますからね。僕としては、できるだろうなって、そんな気持ちでいます」

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