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《単独インタビュー》大谷翔平はどんなときに“幸せ”を感じるのか? 28歳の幸福論「夜になったら寝心地のいいベッドがあって…」
text by
石田雄太Yuta Ishida
photograph byNanae Suzuki
posted2023/03/16 11:01
発売中のNumber『30年後の日本野球のために』ロングインタビューで、日本代表への想いや知られざるプライベートについて語った
――WBCでも大谷さんは投打ともに主力として計算されていますが、メジャーで二刀流の選手としてプレーしてきて、何かを変えたという手応えは感じていますか。
「今までで何が一番嬉しかったかと言われたら、TWO-WAY登録ができましたとか、ピッチャーとして投げながら打線にDHとして入れますとか、ルールができたことですよね。150年近い歴史があるリーグの中で、新しいルールができちゃうんですよ。それって嬉しいじゃないですか。やってきたことが有意義だったからこそ、形にしてもらえたわけで、それは、ありがとうございます、という気持ちになります。日本のときにはなかったことですし、野球が生まれた国の人たちにそう思ってもらえたというのは嬉しいですよね」
「いずれは終わってしまうんだよな…」
――今年の7月には29歳になります。もう29歳か、という焦りと、ピークが来る30歳から35歳の全盛期がいよいよ来るぞ、という楽しみ、どちらが大きいんですか。
「楽しみはあります。でも、自分の計算の中ではもうピークが始まっているとも思っているので、これがいつまで続くのかな、いずれは終わってしまうんだよなという気持ちもあります。ピークから下がってきたとき、僕はどういう気持ちになるのかなということは考えますね。今は上がっている状態なのでいいんですけど、ちょっと下がってきたとき、一気に気持ちが落ちてしまわないかなという、アレはあります」
――アレ、というのは不安なのかな。でももうそんなことを心配しているんですか。
「そうなるまでにどれだけの数字を積めるかということにもよるんでしょうけど、僕は向上していくことに楽しさを見出すタイプなので、どうなんでしょうね。歳を重ねれば技術的にはどんどん上がっていくと思いますけど、フィジカルはケガがないとしても落ちてくると思うので、そこで差し引きプラスマイナス、ゼロくらいになるのかなと……そのときに、それまで培ってきた技術でどこまでできるのかという方向へシフトするのか、いやいや、もっと行けるはずだと考えてフィジカルをさらに強くする方向を目指すのか、どっちに考えるんでしょうね。そこは今はまだわかりません」