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《F1開幕》今年も視界良好のレッドブル&フェルスタッペンが狙う大記録を、フェラーリ&ルクレールは阻止できるか 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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posted2023/03/03 11:00

《F1開幕》今年も視界良好のレッドブル&フェルスタッペンが狙う大記録を、フェラーリ&ルクレールは阻止できるか<Number Web> photograph by Masahiro Owari

開幕直前のテストで好タイムをマークし、表情も明るいレッドブルのフェルスタッペン(右)とペレス

 今回のテストではフェルスタッペンだけでなく、チームメートのセルジオ・ペレスも最終日にトップタイムをマークし、好調さが目立った。そうなると、もうひとつの大記録樹立の可能性が気になるところだ。それは2016年にメルセデスが打ち立てた、年間19勝というチームとしての年間最多勝記録だ。

 昨年のレッドブルはフェルスタッペンが15勝、ペレスが2勝を挙げ、合計17勝した。これは2014年と2015年にメルセデスが記録した年間16勝を上回る、歴代2位となる勝利数だ。昨年のテストでペレスが一度もトップタイムを出していなかったことを考えると、チーム加入3年目の今年、昨年の2勝を上回る可能性は十分考えられる。フェルスタッペンが昨年並みの勝利数を重ね、ペレスが昨年以上の白星を積めば、大記録誕生も夢ではない。

フェラーリは対抗馬となり得るか

 そのレッドブルと昨年チャンピオンシップ争いを演じたフェラーリも、順調にテストをこなしていた。昨年、シャルル・ルクレールはフェルスタッペンを上回るシーズン最多9回のポールポジションを獲得。しかし、レースではパワーユニット(PU)の信頼性の低さや戦略ミスに足を引っ張られ、その速さを結果に繋げることができなかった。

 今年のフェラーリはPUに関してオフの間に国際自動車連盟(FIA)の許可を得て、信頼性向上に寄与するいくつかの諸元変更を済ませている。テストでのトップスピードもレッドブルが搭載するホンダRBPTに肉薄していた。さらにチームの戦略担当も配置転換によって一新。レッドブルにとっては昨年以上に警戒しなければならないチームとなっている。

 ルクレールは現在まで、通算18回のポールポジションを獲得している。18回以上ポールポジションを獲得しながらタイトルに手が届かなかったのは、ルクレール以外にルネ・アルヌー(18回)とバルテリ・ボッタス(20回)しかいない。ただし、通算32回のポールポジションを獲得しているナイジェル・マンセルは17回もポールポジションを獲りながら無冠を続けたが、1992年に14回ものポールポジションを獲得して、39歳で見事王者に輝いた。

 2016年の王者ニコ・ロズベルグも、前年まで22回ポール・シッターになりながらタイトルに縁がなかったが、2016年は8回のポールポジションを獲得し、31歳で花を咲かせた。ルクレールは、まだ25歳。チャンスは十分残されている。

 2023年の開幕戦バーレーンGPは、フェルスタッペン王朝の始まりとなるのか。またはフェルスタッペンvs.ルクレール時代の幕が開けるのか。あるいはそれ以外の勢力が割って入って戦国時代に突入するのか。その答えは、3月5日に判明する。

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