Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
[バズーカ岡田のブックガイド]筋肉のために脳を鍛えよ
posted2023/01/13 07:03
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
情報が氾濫する筋トレ界、何を信じれば良いのだろうか。先人たちが獲得してきた確かな知識と思考と想像力を、その頭にインストールできること間違いなしの5冊。最高の水先案内人が自信を持って紹介!
現代日本は人生100年時代、そして少子高齢化社会です。そうした時代に生きる我々にとって、筋肉をよく理解し、正しい鍛え方、ケアの知識を持つことは長く健康に生きるための必需品。平均寿命と健康寿命との乖離を完全にはなくせませんが、墓に入る寸前までスクワットできる状態をひとりでも多く保ったりと、その差を少しでも縮めることで子どもたちの未来への負担を軽くできるはずです。私はそうした社会的使命を抱いて筋肉普及に努めています。
すべての日本人、そして全人類にまず読んでほしいのが石井直方先生の『究極のトレーニング 最新スポーツ生理学と効率的カラダづくり』(講談社)です。筋肉が体を動かす仕組み、効果的な運動の仕方、ダイエットやサプリメントまで、筋肉の基本的な性質が解説されています。
石井先生は東大の教授で、今は退官されて名誉教授。元々ボディビルの日本チャンピオンで、筋肉を科学的に説明してくれた最初の人物と言えるかもしれません。実践が伴っているからこそ、机上の空論ではなく実生活に即した形で噛み砕いて教えてくれる。「究極」なんて聞くとハードルが高そうですが、雑学本としても読めると思いますよ。さらに深く学びたい人は、石井先生の『重力と闘う筋』『筋を鍛える』を読んでみてください。