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4年前、元・相方の死…なぜ錦鯉は中年でも輝けたのか? 先輩芸人の証言「チャラチャラ遊んでた芸人が50歳で、いきなり売れるわけない」

posted2022/12/05 17:02

 
4年前、元・相方の死…なぜ錦鯉は中年でも輝けたのか? 先輩芸人の証言「チャラチャラ遊んでた芸人が50歳で、いきなり売れるわけない」<Number Web> photograph by Wataru Sato

昨年のM-1グランプリで史上最年長で王者になった錦鯉。今年、長谷川雅紀は51歳、ツッコミの渡辺隆は44歳になった

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鈴木工

鈴木工Takumi Suzuki

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Wataru Sato

発売中の『Number』1064号では、創刊以来初となるM-1グランプリを特集。12月18日に迫る新M-1王者誕生を前に、掲載記事の中から、昨年優勝の錦鯉が戴冠するまでの長い長い道のりを芸人仲間の証言から辿ったノンフィクション「泥濘から摑んだ浮上の光」を全文公開する(全2回の2回目/#1へ)。

元相方の死

 18年、もう一歩先になかなか進めない錦鯉に奮起を促す出来事があった。マッサジル時代の長谷川雅紀の相方が死去したのだ。渡辺隆は「絶対に雅紀さんを売れさせないといけない」「M-1で優勝してやる意識を強く持つようになった」と決意。一緒に納骨に向かったSMAの平井精一は、その夜、今後錦鯉のネタをどうしていくか、膝を突き合わせて渡辺と話しあったという。

 ハリウッドザコシショウも渡辺の変化を感じていた。

「もともと渡辺は人を光らせる才能があって、僕の単独ライブの作家として、いいところをどんどん引き出してくれた。正直、僕の作家をずっとやってほしかったぐらい。それなのに、その才能を自分らのコンビでは活かしきれてなかったんですよ。でもその頃から長谷川の光らせ方に渡辺が気づき始めましたね。雅紀はずっと変わってないと思います。ただのバカですから。雅紀だけじゃ売れないし、渡辺だけでも売れない。そこはやっぱりコンビ揃ってこその錦鯉。あいつらが出会わなかったら売れてないですよ」

「おじさんたちが高め合っている」

 錦鯉の面白さを千鳥や博多大吉といったMCクラスの芸人が言及するようになり、認知度は徐々に拡大。そして20年、「50歳まで泥水をすすってきた人間を応援したくなる」(平井)という世間の好意を追い風に、いよいよM-1決勝にまでたどりついた。

 結果は4位で終わったが、翌年にはテレビの仕事が急増。一方、それまで主戦場としていたライブの出演本数は、年間30本程度に激減した。賞レースで戦う芸人にとって、ライブに数多く出ることで、ネタを叩いて強くする作業は欠かせないものだ。

 2年連続でM-1決勝進出を果たすもネタの完成度が不安視される中、決勝の数日前、バイきんぐの小峠やマツモトクラブなど、ネタづくりに長けたSMAの芸人が事務所に集結した。錦鯉が披露したネタに意見して、磨きをかける機会が設けられたのだ。平井が説明する。

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