脳梗塞で感じた「大切なのは『命、健康。以上』」大橋未歩（44歳）が今明かすテレ東退社と「フリーアナウンサーになった理由」

　3度オリンピックの舞台を経験した大橋未歩は、その後、スポーツの現場から離れることになった。

「そのときにキャリアプランを迷ってしまって。そのままスポーツアナウンサーとして年齢を重ねていくという前例があまりなくて、どうにかそういうプランはないかな、と考え、スポーツビジネスを学ぶために早稲田に入学しました（早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程）。ただそれがうまくキャリアや放送に結びついている感じがあまりしなかったですね」

34歳で発症した脳梗塞

　どう進んでいくべきか、悩んでいた。そのとき発症したのが脳梗塞だった。

「自分の心と体が一致していなかった時期だったと思います。もっと若い頃、どんなに忙しかったとしても心と体が一致してやりたいことが明確かつスムーズにできているときには疲れもすぐに解消されていたりしました。なんか心と体がちぐはぐだな、疲れるな、と思っていた頃でした」

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　約8カ月の療養ののち復職した大橋に、ある気づきがあった。同時に「価値観の転換がありました」。

「ある程度重要な、というか、節目節目の大きな特番を任せてもらっていたりしたので、自分自身がこの組織にとって大切な存在であるという認識が頭のどこかにあったと思います。でも休んでも、会社組織も社会も以前と全く変わらずに正常に動いているのを目の当たりにしたとき、替えがきかない存在と思っていたのは思い上がりだったんだな、と思い知らされ、自分の傲慢さを反省しました。でも替えがきくということが、実は組織としてとても健全な状況であるということにも気づいたときに、今後の人生は、組織主語ではなくて自分主語でも生きてみたいなって思うようになった気がします」

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