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元横綱稀勢の里・二所ノ関親方が徹底解説
第四回:貴乃花「“切る”という必殺技」

posted2022/11/13 07:00

 
元横綱稀勢の里・二所ノ関親方が徹底解説第四回:貴乃花「“切る”という必殺技」<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

貴乃花は幕内通算75場所、701勝217敗。'90年五月場所の新入幕から数々の最年少記録を作り、'95年に横綱昇進。幕内優勝22回。'03年に引退し、翌年に貴乃花部屋を開く。'18年に相撲協会を退職した

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二所ノ関寛

二所ノ関寛Hiroshi Nishonoseki

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Naoya Sanuki

 今回は幕内優勝22回を誇る、横綱貴乃花関について考えていきます。

 貴乃花関が横綱に昇進したのは1995年の初場所で、私が小学2年生の時でした。私が鳴戸部屋に入門したのは2002年。貴乃花関はその翌年に引退します。

 私が実際に貴乃花関を目撃したのは引退されてからでしたが、その姿は胸がグッと開いて仙骨が入り、歩いているだけで威圧感がありました。引退後で痩せてらっしゃいましたが、「これが横綱かあ」とため息が出ましたし、さぞや現役時代は相手に恐怖を与える存在だったに違いありません。

 実は、私は入門前から貴乃花関の相撲に憧れていたのです。貴乃花関の相撲を支えていたのは、まわしを「切る」技術です。自分のまわしをつかんでいる相手の手を離させることを、まわしを切るといいます。貴乃花関の取組は、相手十分の体勢から上手まわしを切り、体を寄せる。その瞬間の腰の使い方がたまりません。そして相手が参ったと思ったところでさらっと寄り切る。まさに計算され尽くした相撲でした。

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