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[第7戦 プロフェッショナル解説]真中満「オリックスの救援陣がヤクルトの守備を焦らせた」
posted2022/11/04 07:07
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph by
Naoya Sanuki
試合開始とともに先頭打者の太田椋が初球をホームラン。低めの難しい球を思い切ったスイングでバックスクリーンに運んだ。3連勝中のチームにさらに勢いをつけ、今日も行けるぞという確信を与える一発になったと思う。太田は前日の第6戦から1番に抜擢され、持ち味の積極性を存分に発揮していた。1学年下の同じ内野手で、先に一軍に定着した紅林とはいい意味でのライバル関係にあり、中嶋監督はそこを上手く刺激しながらシーズン中も起用。今シリーズでも太田の状態の良さを見抜き、勝負どころでの活躍を引き出した。
試合が動いたのは5回。ヤクルトに痛いミスが続いた。無死一塁で投手の宮城が試みた犠打の打球が芯を食い、チャージした三塁手の村上が捕れず内野安打。続く太田が三塁前へ転がしたバントも、村上とサイスニードの連係ミスで内野安打にしてしまった。最初のプレーは止むを得ないとしても、太田のバントは村上が確実に捕って一塁でアウトにしなければいけないところだ。