安西叶翔（投手・常葉大菊川高）の4位指名は、5年経ったら「巨人・戸郷翔征の2018ドラフト6位指名」と同じぐらい称賛されるはずだ。コロナ感染で、チームは今夏予選よもやの4回戦敗退。そのためスカウト部長とか、決定権のある方に見せられなかったチームも少なからずあった……と聞いている。今の各球団のドラフト・システムの一面が浮き彫りになったようだ。

日本ハム4位指名の安西叶翔投手（常葉大菊川高・186cm86kg・右投右打）　©AFLO

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　渡邉諒の阪神移籍があったが、セカンドも同じ技量で守れる上川畑大悟遊撃手……5位・奈良間大己（内野手・立正大）の加入があれば、内野陣にレベルダウンはない。プロしか見ないで精進してきた4年間。長かった2部リーグだが、くすみや嫌気がなく、ショートのポジションから効果的な言葉を発信しながら、いつもどこかを見ている集中力でプレーが輝いて見える。安西と同じく常葉大菊川高出身……先輩・後輩がドラフト同期でプロに進む。

　故障の時期もありながらの社会人4年間。根気よく頑張った辛抱強さが光る。内角を突けるサイドハンド・宮内春輝（日本製紙石巻）を6位指名で締めた。

　3位指名・加藤豪将（内野手・ニューヨークメッツ傘下3A）、私はじっさいにプレーを見たことがないから語れない。ただ、どうだろう……28歳の3A選手に、他球団が食指を動かしただろうか。そう考えたら、加藤選手を下位にして、大事な「3位」の枠で、試合を作れそうな投手・青山美夏人（亜細亜大→西武4位）でも、河野佳（大阪ガス→広島5位）でも、もう一枚獲れただろうに……。大きなお世話なのかもしれないが。

ショックだった「なぜ田中幹也が6位指名なのか？」

【中日　ドラフト指名選手（※支配下）】

1位　仲地礼亜　21歳　投手　沖縄大　177cm83kg　右投右打
2位　村松開人　21歳　内野手　明治大　171cm80kg　右投左打
3位　森山暁生　17歳　投手　阿南光高　183cm84kg  左投左打
4位　山浅龍之介　18歳　捕手　聖光学院高　175cm82kg  右投左打
5位　濱将乃介　22歳　内野手　福井ネクサスエレファンツ　181cm81kg  右投左打
6位　田中幹也　21歳　内野手　亜細亜大　166cm68kg　右投右打
7位　福永裕基　26歳　内野手　日本新薬　180cm85kg　右投右打

【中日　総評】

　今年もドラフトの現場は、インターネット放送「パラビ」のドラフト中継の解説だったが、その放送席で、私はショックを受けていた。

　田中幹也（内野手・亜細亜大）の6位指名。

　今年の学生球界に5人も6人もいた敏捷なフィールディングと快足、好打の内野手たちの中で、最後の指名。次のロッテが「選択終了」だったから、支配下ドラフトも、間違いなく終盤に差しかかっていた。

　やはり「難病克服」が、各球団の腰を退かせたのか……しかし素晴らしい運動能力、そしてスピードと躍動感。一軍でプレーすれば、間違いなく人気者になれる選手だ。

　2位・村松開人（内野手・明治大）との二遊間には、往年の「アライバ」を重ねたのか。2人とも、セカンド、ショート両方高いレベルでやってのける「名手候補」だけに、コンビの組み合わせまで楽しみだ。

　この春を足のケガで棒に振って、この秋、グッとバッティングの精度を上げて「神宮」に戻ってきた。ボール・ストライクを見分ける、打ってヒットになるボール・そうでないボールを見分ける……抜群の選球眼を持っているバッティング職人だ。

ドラ1仲地は「別人のように筋肉が増えた」

　1位・仲地礼亜（投手・沖縄大）は、今年のドラフト1位投手の中で、伸びしろNo.1と見ている。

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